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函
「函〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
函の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
がついた時、無意識にあの別荘番を予期していた私は、折よく先刻書いて置いた端書の投
函《とうかん》を頼もうと思って、何気なくその方を一瞥した。するとその襖側《ふすま....
「路上」より 著者:芥川竜之介
るとかれこれ二時かとも思う時分、図書館の扉口《とぐち》に近い、目録《カタログ》の
函《はこ》の並んでいる所へ、小倉《こくら》の袴に黒木綿《くろもめん》の紋附《もん....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
も愛想を見せれば大事《おおごと》になる。
「まあ辛抱してやるがいい。ここの親方は
函館《はこだて》の金持《まるも》ちで物の解《わか》った人だかんな」
そういって....
「星座」より 著者:有島武郎
中島を見ろ、四十五まであの男は木刀一本と褌《ふんどし》一筋の足軽風情だったのを、
函館にいる時分何に発心したか、島松にやってきて水田にかかったんだ。今じゃお前水田....
「初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
初めて杖を留めた凾館《はこだて》は、北海の咽喉《のど》といわれて、内地の人は
函館を見ただけですでに北海道そのものを見てしまったように考えているが、内地に近い....
「弓町より」より 著者:石川啄木
反抗を企てた。その反抗はつねに私に不利な結果を齎《もたら》した。郷里《くに》から
函館《はこだて》へ、
函館から札幌《さっぽろ》へ、札幌から小樽《おたる》へ、小樽か....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ぬ。 貴婦人 一 その翌日、神戸行きの急行列車が、
函根の隧道を出切る時分、食堂の中に椅子を占めて、卓子は別であるが、一|人外国の客....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
ねて世界有数の読書家。必要によって当時の図書館長バルビールに命じて製らせました、
函入新装の、一千巻、一架の内容は、宗教四十巻、叙事詩四十巻、戯曲四十巻、その他の....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
た、思う処へ旅行して、その唄を誰かに聞け。 (妹の声は私も聞きたい。) と、手
函の金子を授けました。今もって叔母が貢いでくれるんです。 国を出て、足かけ五年....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
子お外套というも極りの悪い代ものが釦で棚へ入って、「お目金、」と四度半が手近な手
函へ据る、歯科のほかでは知らなかった、椅子がぜんまいでギギイと巻上る……といった....
「寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
れて遠眼鏡で見て、それを注進したという、あの名高い、下岡蓮杖さんが、やはり寺内で
函館戦争、台湾戦争の絵をかいて見せました。これは今でも九段の遊就館にあります。こ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かでない。ただ手帳には、 「長さ二十四インチ、幅一インチ、深さ一インチ半のガラス
函を取り、この内に電解質の液体を入れ、電気分解をなしつつある間に、種々の条件の下....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
使のみならず仏国の訳官にメルメデ・カションという者あり。本来|宣教師にして久しく
函館に在り、ほぼ日本語にも通じたるを以て仏公使館の訳官となりたるが、これまた政府....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
に発見せられ、一喝「お前はなぜそんな見苦しい事をする。」と怒鳴られたので、原稿投
函上の迷信は一時に消失してしまった。蓋し自分が絶対の信用を捧ぐる先生の一喝は、こ....
「色盲検査表の話」より 著者:石原忍
推称した論文を掲げ、その翌年スイスのバーゼル大学のプランタ氏がグレーフェ氏眼科宝
函に長文の論文を発表して、各種色盲検査表の比較試験の結果『石原検査表は他のすべて....