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「刀の手前〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刀の手前の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
金を奪い取った重罪の春見丈助、縲絏に掛っては、只今は廃刀の世なれども是まで捨てぬ刀の手前、申訳のため切腹しました、臨終の際に重二郎殿、清次殿御両人に頼み置きたき....
名娼満月」より 著者:夢野久作
千六の両眼から涙がハラハラと溢れ落ちた。 「……こ……これ程の挨拶……か……刀の手前にも……捨てて……おかれぬわい。ええっ……」 銀之丞の美しい眼尻には涙....
敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
ッても内聞のお計らいを」 重「痴けた事を云うな、武士たる者が女房を他人に取られて刀の手前此の儘では済まされぬから、両人の居処へ踏込み一刀に切って捨て、生首を引提....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
「推参な、下郎の分際で武士たるものの魂を足蹴《あしげ》にした不埒《ふらち》な奴、刀の手前、許すわけには相成らん」 「ばかにしてやがら」 ここで米友は冷笑を発し....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いんだ、薩摩の野郎かなんかが出て来て、喧嘩を売りかけたりなんぞしてうるさいから、刀の手前、今度は遠慮をした方がいいと思っている」 そこで鶏の鳴く音が聞える。 ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
は一向分らん、何ういう訳で呉れられんか其の事を聞かん中は粥河圖書此の場は去らん、刀の手前捨置き難いから、さア訳を聞かして下さい、次第によれば其の儘には捨置かれん....
丹下左膳」より 著者:林不忘
り胸に手を置いて考えてみるがよい」 「またお談義《だんぎ》! 何かというと武士、刀の手前――どうも当り矢のお艶も、おかげさまでこんなかたッくるしい言葉をおぼえま....
平家蟹」より 著者:岡本綺堂
、こんな嬉しいことはござりませぬ。 与五郎 しいてとやこう申されたら、それがしも刀の手前、われから姉妹の縁切って、そなたを連れ帰ろうと存じたるに、玉虫殿のこころ....