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刀の錆
「刀の錆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刀の錆の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
ょうぜん》とした、罪を謝する言葉である。
「あたら御役《おやく》に立つ侍を一人、
刀の錆《さび》に致したのは三右衛門の罪でございまする。」
治修《はるなが》はち....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
の重囲に陥った。若し敗れたら、海の藻屑とならなければならない。若し降ったら、賊の
刀の錆とならなければならない。この危機にあって、船員は銘々が最も端的にその生命を....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
貞、山県虎清、工藤虎豊、内藤虎資、四人ながら手討ちになり、この他硬骨の士五十人、
刀の錆となったのであった。 そこへ起こったのが家督問題で、森厳沈痛の晴信よりも....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
放《ほ》っときなされ」と戸田老人が低く云った。大野順平も笑って云った。
「むしろ
刀の錆《さび》でござろう、われらの斬らなければならぬものはこんなものではありませ....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
おのれ口の横さまに裂けたる雑言哉。此間こそ酔ひ痴れて不覚をも取りたれ、今日は吾が
刀の錆までもあるまじ。かゝれや物共、相手は一人ぞ。女のほかは斬り棄つるとも苦しか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
うのでさえ片腹痛いのに、死んだ肉は食わないというような一ぱしの口吻《くちぶり》。
刀の錆《さび》にするにも足らない奴だがよい折柄《おりから》の端役《はやく》、こい....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
加減に腹が立つ。帰ったらブチのめしてもくれよう、次第によっては、親爺になり代って
刀の錆《さび》にまでと意気ごんだものが、だらしない格好で、すましこんで、「ねえ、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
る愛犬の黒犬。
「黒か、わしは馬鹿じゃったよ。大馬鹿じゃったよ。おかげで人ひとり
刀の錆《さび》にして果てた。なア、そうではないか」
黒は、喜ばしげに振り仰いで....
「南北の東海道四谷怪談」より 著者:田中貢太郎
。左門は倒れてしまった。伊右衛門はそれに止めをさした。 「強情ぬかした老ぼれめ、
刀の錆は自業自得だ」 其の時傍の闇から直助が顔を出した。 「そう云う声は、たし....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
加屋伊兵衛は鬼でもないわ。豚じゃ、豚じゃ、山吹色の豚じゃ。己れ、そのうち、伝家一
刀の錆にしてくれる。」 「月のねえ夜もありやす。一つ器用にさばきやしょう。」 ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
ようなものですから逃げ出そうたって到底駄目だ。殺されるようなら安心してその巡礼の
刀の錆になってしまうより外はないと決心して泊りました。
になると決心した....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
、鎌倉以前の稀れな名工の鍛刀ですから、骨は折れますが、錆の曇りも脱れましょう。古
刀の錆はサビても薄い膜にしかなっておりませんから。――ところが近世の新刀となると....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
らしく、 「密事を嗅ぎつけている輩、剣山に封じおくのも無事であろうが、いッそ、断
刀の錆と致したほうが、安心でもあり、お手数もないことと考えまするが……」 「その....