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「刀傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刀傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
瞬間に彼の段鼻《だんばな》だの、金歯《きんば》だの、左の揉《も》み上《あ》げの剃刀傷《かみそりきず》だの、ズボンの膝《ひざ》のたるんでいることだの、――そのほか....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
が、不意にえぐるような質問が飛んでいきました。 「おやじ! おまえのその右小手の刀傷はだいぶ古いな」 「えッ!」 「隠さいでもいい。十年ぐらいにはなりそうだが、....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
すよ、そうらしいでがすよ。おやじの話した人相書きによると、その若い野郎は右ほおに刀傷があるといいましたからね。ちえッ! ひと足先にやられたか。くやしいな! いか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れた座敷の内には、行燈が倒れていた。茶碗や土瓶がころげていた。襖の紙にも槍の痕と刀傷が残っていた。その狼藉をきわめたなかに、若い娘は血に染みて横たわっているのを....
光の中に」より 著者:金史良
どろもどろで云った。「傷は大丈夫かい」 「まあ、大丈夫だよ。だがどうしても顔面に刀傷の痕はつくんだろうね。全く気の毒な程ひどい傷がこめかみの所に出来るんだよ。そ....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
た。 併し老僧は挨拶もせず、只凝然と立っている。昔の俤と変りが無いが頸の辺に太刀傷が一筋細く付いているのが、些昔と異っている。 「どうじゃな?」 と僧はやが....
少年探偵長」より 著者:海野十三
ペイン系の人のようであった。彼の顔立ちは整っていたが、どうしたわけか、おそろしい刀傷のあとが、額の上から左眼を通り、鼻筋から、唇までに達していた。ものすごい斬り....
くろがね天狗」より 著者:海野十三
ると、そこには何時押しよせたか、十人あまりの人だかり……。 「あまりにも美事な太刀傷じゃ。人間業ではないのう」 「やはり天狗の仕業じゃ。それに刃向ったは権四郎の....
葛の葉狐」より 著者:楠山正雄
ことですから、とても敵いようがありません。保名の家来は残らず討たれて、保名も体中刀傷や矢傷を負った上に、大ぜいに手足をつかまえられて、虜にされてしまいました。 ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は新十郎をふりむき、 「一見して毒死の徴候歴然です。使用した毒物はわからないが、刀傷によって死んだものでないことは確かのようです」 「すると、加納さんが前へとん....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ところが、ヴィデの頸から上には、生理的に消しがたい醜さが泛んでいた。頬には、刀傷や、異様な赤い筋などで、皺が無数にたたまれているばかりでなく、兎唇、瘰癧、そ....
三甚内」より 著者:国枝史郎
茫たる月光が流れたが、二人はハッと顔を見合わせた。船頭の頬には夜目にも著く古い太刀傷が印されている。 三 寛永といえば三代将軍徳川家光の治世で....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
め、「これこのおれを盲目にする気か!」「これはまたなぜでございますな」「鎌傷か太刀傷か、それくらいのけじめが解らぬと思うか」 すると商人はまた笑ったが、「これ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の姿を見たことがない。気がかりともいえれば不都合ともいえるな」と云ったのは、頬に刀傷のある、三十五、六の、片岡という武士で、片手を枕にして、寝そべっていた。 「....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
白い草花がまっさかりだ。また岡の上に高い望楼のある城壁をめぐらせた町があり、顔に刀傷のある男がぬっと出てくる。こんな間の中国旅館に二週間ばかり泊まったが、ある夜....