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「刀架〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刀架の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
《ことごと》に興奮した。隣屋敷まで聞えそうな声で、わめき立てた事も一再ではない。刀架《かたなかけ》の刀に手のかかった事も、度々ある。そう云う時の彼はほとんど誰の....
宝蔵の短刀」より 著者:田中貢太郎
犬の入って来てものに突き当った音でもなかった。 「なんだろう」 益之助は枕頭の刀架に掛けてある長い刀を執って、縁側に出て雨戸を開けた。微曇《うすぐもり》のした....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
心持ちで客は黙々としてその聖堂に近づいて行く。そしてもし武士ならばその剣を軒下の刀架にかけておく、茶室は至極平和の家であるから。それから客は低くかがんで、高さ三....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
入っているのではないかと思われるような緞子造りの、ふっくらとした褥です。それから刀架に脇息――。 「その方なかなかに心利いた奴じゃな。小姓共のおらぬがちと玉に瑾....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
屋をいうのではありません。二人のいるのは一番の室であります。今の話の三番の室には刀架《かたなかけ》があって、大小の刀が置いてあります。その前の床柱に凭《もた》れ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
朝、隊長の近藤勇から使が来て、急に会いたいというから兵馬は、勇の前へ出ると、勇は刀架《かたなかけ》に秘蔵の虎徹《こてつ》を載せて、敷皮の上に、腕を拱《こまね》き....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
歌の稽古を……」 雨蛙は以前山に棲んでいた頃、程近い人家にまぎれ込んで、竹製の刀架の孔のなかにもぐり込んでいたことがありました。ちょうど春雨の頃で、雨の音を聞....
皿屋敷」より 著者:田中貢太郎
いたしました、この大胆者が御秘蔵のお皿を破りました」 「なにッ」主膳の隻手はもう刀架の刀にかかった。「ふとどき者|奴、斬って捨てる、外へ伴れ出せ」 奥方は松の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
て恭《うやうや》しく差出しました。 「これではない、あちらのを出せ」 床の間の刀架《かたなかけ》に縦に飾ってある梨子地《なしじ》の鞘《さや》の長い刀を指しまし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
るようなことを言って寝返りを打ちました。 「神尾主膳殿」 兵馬は、主膳の枕許の刀架《かたなかけ》から刀を取って、その鍔音《つばおと》を高く鳴らすと、 「やっ、....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
間は上の間と下の間となっていて、世子は上の間に蒲団を敷いて坐って、その側に小刀が刀架に掛かっている。長刀は少し離れた床の上に置いてある。小姓二人は下の間で世子に....
阿芳の怨霊」より 著者:田中貢太郎
阿芳の姿ははっきり見えた。 「又、出たな」 由平は飛び起きた。床の間の鹿の角の刀架に一本の刀が飾ってあった。由平はそれを取って阿芳に斬りつけた。刀は外れて襖へ....
人面瘡物語」より 著者:田中貢太郎
、 『よし、それほど殺してもらいたいなら、望みどおりに殺してやる』 と、云って刀架の刀を抜く手も見せずに打ちおろすと、女子の首は前に飛んだが、それが落ちた処を....
切支丹転び」より 著者:田中貢太郎
とるべき手段を考えていた。 夜になって医者坊主が帰って往った。太郎左衛門は床の刀架にかけた刀をおろして、それを半ば抜いてちょと眼を通し、それが済むと目釘に注意....
春心」より 著者:田中貢太郎
てもらわなくちゃ帰らない」 「なに」 広巳は火鉢をすてて床の方へ走った。床には刀架があって、広巳が記念の軍刀と日本刀が架けてあった。広巳は日本刀を引掴んで執り....