刀疵[語句情報] » 刀疵

「刀疵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刀疵の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
き返るや一緒で、すでにもう怪しの男の頤先《あごさき》に、ぐいと短く抉《えぐ》った刀疵が、たらたら生血《なまち》を噴きつつきざまれていたので、 「痛えッ、疑ぐり深....
十二支考」より 著者:南方熊楠
《ふるきず》」。彦山権現《ひこさんごんげん》の戯曲に京極内匠が吉岡の第二女に「長刀疵《なぎなたきず》が所望じゃわい」。手近にかかる名句があるにとかく欧人ならでは....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
てから身内をばあらためて見ると、鎧《よろい》の胸板《むないた》掛算《けさん》に太刀疵《たちきず》鎗疵《やりきず》が四ヶ処、例の銀の鯰《なまず》の兜《かぶと》に矢....
武蔵野」より 著者:山田美妙
ッている血の痕が持主の軍馴れたのを証拠立てている。兜はなくて乱髪が藁で括られ、大刀疵がいくらもある臘色の業物が腰へ反り返ッている。手甲は見馴れぬ手甲だが、実は濃....
」より 著者:岡本綺堂
ゃあねえか。」 押し問答の末に、更にその兜をあらためると、成程その天辺に薄い太刀疵のあとが残っているらしいが、鉢その物がよほど堅固に出来ていたのか、あるいは斬....
式部小路」より 著者:泉鏡花
殿打たれたまいぬ、と溝の中で鳴きそうな、どくどくの袷の褄、膝を払って蹴返した、太刀疵、鍵裂、弾疵、焼穴、霰のようにばらばらある、態も、振も、今の先刻。殊に小火を....