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刀身
「刀身〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刀身の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
、それでその時まで隠れていた清浄|無垢な白い死に装束があらわれる。彼は短剣の輝く
刀身を恍惚とながめて、次の絶唱を詠む。 人生七十 力囲希咄 吾が這の宝剣 祖仏共....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
『三州志』によると、加賀の白山神社の真柄の太刀と伝称し来るものあり、柄が三尺、
刀身が六尺、合せて九尺、厚さ六分、幅一寸六分あり、鎌倉の行光の作である。行光は正....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
て熔岩の上に立っていたが、ふと気が付いて握っていた刀を腰の鞘へ納めようとした。と
刀身に顔が写った。で、じッと見入ったものである。 「いかさま凄い顔である」呻くが....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
岩の蔭へ隠し、立て膝をして窺った。木洩《こも》れ陽《び》が一筋射している。それが
刀身を照らしている。そこだけがカッと燃えている。がその他は朦朧《ぼけ》ている。引....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
います……。』 両眼に涙を一ぱい溜めて、赤心こめて渡された紀念の懐剣――それは
刀身といい、又装具といい、まことに申分のない、立派なものでございましたが、しかし....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の鞘を手に持って鏡の前に立ったのである。彼が剣の柄がしらで鏡に一撃をあたえると、
刀身は鞘から半分ほど抜け出して、柄がしらは鏡の上の壁を打った。このとき怖ろしい雷....
「生死卍巴」より 著者:国枝史郎
いていた。上段に冠って敵に向かい、来い! 切るぞ! 斃すぞと、構えている茅野雄の
刀身であった。空の一所に雲があって、野茨の花が群れているように見えたが、ゆるゆる....
「首頂戴」より 著者:国枝史郎
。取り上げた乞食、スッと抜いた。 「怖くはないかな、村正だ」 春陽にぶつかって
刀身から、ユラユラユラユラと陽炎が立つ。 「怖いお方もございましょう、妾は怖くは....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
たのを、若い侍が無雑作に、力を抜いて叩き倒し、最後に一人をたたき倒した時、懐紙で
刀身をぬぐったのである。 それから懐紙をサラリと捨て、刀をかざすとスーッと見た....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
数六七十本向かい合わせてぴたりと据わり、真剣の勝負、無駄声もかけずただ、位取った
刀身が、春陽をはねて白々と光り、殺気漂うばかりである。 旗本奴と町奴、それと並....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
。鼻は高いらしい。全身は痩せているらしい。そういう武士が、刀を鑑定ているらしく、
刀身が、武士の膝の辺りから、斜めに眼の辺りへまで差し出されていた。――そういう人....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
の手で、からかうように太刀を揺すぶった。 勝れた業の恐ろしさよ! 振り冠られた
刀身は、凍った電光のそれのように、中段に太刀を付けた主水の全身を、威嚇し圧して動....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
消えてしまった。
で、ひっそりとなったのである。
と、浪人は左手を上げたが、
刀身へ袖を軽くかけた。それからゆるゆると拭ったが、単に塵埃をふいたまでである。す....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
まるでもう君は萎えうらぶれている。……以前のあのうち羽振く鶏鳴の勢いは皆無だ。剣
刀身に佩き副うる丈夫の面影は全くなくなってしまった。 清原 (急に心配そうに)石....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
はかねて大の刀剣通の、その蒐集する刀の蔵い場に頭を悩めたあげく、束にして四斗樽に
刀身を何本も差して、そのぎっしり日本刀のささった樽が、又、橡の下に家中一杯だった....