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刀鍛冶
「刀鍛冶〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刀鍛冶の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
顔に身を寄せていたという話も出た。剣道はすたれ、刀剣も用うるところなく、良心ある
刀鍛冶は偽作以外に身の立てられないのを恥じて百姓の鍬や鎌を打つという変わり方だ。....
「文学上の復古的提唱に対して」より 著者:宮本百合子
したものと思える。ところで、剣道の流派というものも、能楽も昔は一子相伝的で、特に
刀鍛冶など、急所である湯加減を見ようと手など入れればその手を斬り落される程のもの....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
鋼よりもずっと硬いものが出来るんだ」 「ああ、モリプデン鋼のことか」 「大昔は、
刀鍛冶《かたなかじ》たちが、行先を知らせず、ひとりで山の中へはいりこみ、一ヶ月も....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、 「地主ニ代官ヲ先代ヨリ勤メタ故、役所ノ跡ガアイテイル故ニ、水心子天秀トイウ
刀鍛冶ノ孫聟《まごむこ》ニ水心子秀世ト云ウ男ヲ呼ンデ、役所ノ跡ヘ入レテ刀ヲ打ッタ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
鳥取あたりにそのやすつなというのはございませんかね」 「因州鳥取にやすつなという
刀鍛冶は聞かねえが……そうそう伯耆《ほうき》の国に安綱があるが、こりゃあ別物だ」....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ていた。鍛冶屋の店さきには、よくこうした水箱があったがあれはなんのためだろうか、
刀鍛冶などの流れの末とでもいうしるしなのかどうか。その隣りが芝居や、講談などにあ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
憂《う》いしずかさが冷たくよどんでいた。
カーン……カーン! ときょうも近所の
刀鍛冶で鎚《つち》を振る音がまのびして聞こえる。
長閑《のどか》。
その音を....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
この水が鐘を鍛えるのに適するそうで、釜、鍋、庖丁、一切の名産――その昔は、聞えた
刀鍛冶も住みました。今も鍛冶屋が軒を並べて、その中に、柳とともに目立つのは旅館で....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
、天国? あッはッはッ、何を申す、馬鹿な。天国や天座など、伝説中の人物、さような
刀鍛冶など、存在したことござらぬ。鍛えた刀など、何んであろうぞ」 すると武士は....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
たばかり。潮路、はあーるかに、見渡せばあー」
扇が二つ入った。
「取梶、面梶、
刀鍛冶。煙波、渺々《びょうびょう》たる海の面、埋まったりや、数万艘、二引両、四目....
「モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
んの身元しらべ。」 お雪は済まなさそうに、ほほ、ほほと、薄笑いした。 「また、
刀鍛冶《かたなかじ》の娘だと、おっしゃったのでしょう。」 お雪はモルガンが、自....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
、役者自身に、各々と、独特な隈どりの方法や、技術がございまして、そうしたものは、
刀鍛冶の湯加減、火加減と同じように、他の者には、絶対に秘密とされていたのでござい....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
屋の白壁に映って行く。槍を担いだ中間の話し声、後から小者の下駄の音。どこか遠くで
刀鍛冶の槌《つち》の冴えが、夢のようにのどかに響いていた。 「親分え。」 戸口....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
事《あらごと》の稼人《かせぎて》、相州鎌倉は扇《おうぎ》が谷《やつ》在《ざい》の
刀鍛冶《かたなかじ》不動坊祐貞《ふどうぼうすけさだ》方《かた》へ押し入って召捕ら....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
が少くなりました。 美濃で語らなければならないのは、関町の刃物であります。昔の
刀鍛冶の技が伝えられ、質の優れた刃物を育てるに至ったのだと思われます。短刀だとか....