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「刃傷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刃傷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
捨てるぞ。」と、噛みつくように喚《わめ》きました。もしこれが私でございましたら、刃傷沙汰《にんじょうざた》にも及んだでございましょうが、甥はただ、道ばたの牛の糞....
忠義」より 著者:芥川竜之介
諸大名、座席同列の旗本仲間へ、どんな無礼を働くか知れたものではない。万一それから刃傷沙汰《にんじょうざた》にでもなった日には、板倉家七千石は、そのまま「お取りつ....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
ん》であった。その関係からいろいろの浮説《ふせつ》が生み出されて、実雅と兼輔との刃傷事件は単に本人同士の意趣ではなく、忠通、頼長兄弟の意趣から導かれたかのように....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
慣例の金さえ持って来ないのだ。これはどっちがいいか悪いか。しかし、先方が乱暴で、刃傷《にんじょう》といった乱手《らんて》をやるために、たちまち俺の方が欲深のよう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来を説明すると長くなるが、要するに嘉永二年と三年との二年間に、毎年一度ずつここに刃傷沙汰があって、二度ながら其の被害者は片腕を斬り落とされたのである。江戸時代で....
仇討三態」より 著者:菊池寛
果した前後の様子を、古い二十年近い昔の記憶から探り出していた。が、旧主の源太夫の刃傷には、少しも武士らしいところはなかった。朋輩の幸田某の妻に横恋慕をして、きか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
梶井と高島とは、遊里に立入って身持よろしからずというのでお叱りを受けた。殊に当夜刃傷のみぎり、相手の神崎を取り逃がしたるは不用意の致し方とあって、厳しいお咎めを....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ように湧いて来ました。 「おれは馬鹿なことをした。」 当座の口論や一分の意趣で刃傷沙汰に及ぶことはめずらしくない。しかし仮にも武士たるものが、歌舞伎役者の上手....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
盗りでもなさそうであり、どうやら意趣斬りでもなさそうであり、云い得べくんば狂人の刃傷、……こんなように思われるこの事件は、有司にとっては苦手であった。 で容易....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
巷となり、時にはこの銀杏の下で、御神前をも憚らぬ一人の無法者が、時の将軍に対して刃傷沙汰に及んだ事もある……。そうした場合、人間というものはさてさて惨いことをす....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
とは、自分にとっては恩人に相違ない! それを、時の機勢とはいえ、先方から仕掛けた刃傷沙汰とはいえ、その恩人の乾児を四人殺したとは……。 (殺生な!)その優しい心....
剣侠」より 著者:国枝史郎
ではないか!」 「…………」 「そういう身分のその方なら、行動など万事穏便にし、刃傷沙汰など決していたさず、謹しんでくらすのが当然じゃ! それをなんぞや決闘とは....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
と。 慧鶴が十七歳のときは元禄十四年であったから、千代田の殿中で浅野内匠之頭の刃傷があり、その翌年慧鶴十八歳の暮に大石良雄の復讐があった筈である。一方ああ云っ....
俗臭」より 著者:織田作之助
があった位である。一人二人に止まらなかったから、もし美貌だったら、病院内で多少の刃傷沙汰が起ったかも知れぬ。騒がれたという点で、その頃のことは甘い想出となって未....
早稲田神楽坂」より 著者:加能作次郎
いう社会の空気にも触れはじめた頃、ある学生とその恋人だったさる芸者との間に起った刃傷事件から、どこの待合の玄関の壁にも学生諸君お断りの制札のはり出されてあったこ....