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刃先
「刃先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刃先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
を駕籠の中へ差し入れると、しきりに秀の浦の傷口を見調べていたそうでしたが、――と
刃先の血のりをぬぐって、そのまま不用意に捨ておいていったらしいふところ紙がそこに....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
は一丁のなまくらな手斧を、室内のうす暗い片隅から拾い上げたのだ。しかもそのにぶい
刃先には、なんと赤黒い血がこびりついていた。 この発見で顔色を変えた東屋氏は、....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
二 私は、喬介の推理に今更の様に唖然としながらも、鶴嘴の一方の
刃先が長さ約五|糎程の撥形に開いた兇器――よく汽車の窓から見た、線路工夫の振上げ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
止める。 間の襖が向こうから開き、一人の大男が現われた。手に大鉈を持っている。
刃先から鮮血が滴っている。その血の滴った床の上に一人の男が転がっている。胸を刳ら....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
下のとろとろしているところをかきまわして、さっとお引きあげになりますと、その矛の
刃先についた潮水が、ぽたぽたと下へおちて、それが固まって一つの小さな島になりまし....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
飾が付いた鋭利な一丁のジャックナイフだ。鉄屑の油や細かい粉で散々に穢れているが、
刃先の方には血痕らしい赤錆が浮いている。 『残念だがこう穢れていては迚も指紋の検....
「芋」より 著者:佐左木俊郎
毎日、汚れた浅黄の手拭で頬冠りをして、使い古した、柄に草木の緑色が乾着いている、
刃先の白い坏を担いで、鉈豆煙管で刻煙草を燻しながら、芋蔓の絡んでいそうな、籔から....
「山の神殺人」より 著者:坂口安吾
神も狐も落すことができない。不二男の背から心臓のところをグッサリ突き刺す。短刀の
刃先が心臓を突きぬいて向う側へとびでるまで突き刺さなければならない。こうして横に....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
る。柄小さく、痩せぎすである。で顔なども細長い。棘のように険しくて高い鼻、小柄の
刃先とでも云いたげな、鋭い光ある切長の眼、唇は薄く病的に赤く、髪を束ねて頸へ落と....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
を呼んで、あなたの剣をあいつの胸に突き剌してください。私がそのそばを飛び舞って、
刃先をまっすぐに向けるようにしますから。 ウォルトンの手紙 ――続き ....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
、誰も見たものがなく、信用している者もいない。 第一、調多羅坊は全長一丈五尺、
刃先の長さだけで六尺七寸五分の天下一の大ナギナタをふりまわしたことになっているが....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
広くはあっても限りある蚊帳の中、振上げる度に鎌は引懸った。 守刀を突き込む
刃先の鋭さには勝てなかった。女性ながらも武将の後室。 颯と白紗の蚊帳に血飛沫が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
れており、ホワイトプレーンズの戦いのとき、飛びくる弾丸を短剣で受けながし、弾丸が
刃先をひゅうといってまわり、柄にかるくあたるのをたしかに感じたとさえ言った。そし....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
、ぐざと踏み貫く五寸釘、思わず転ぶを得たりやと笠にかかって清吉が振り冠ったる釿の
刃先に夕日の光の閃りと宿って空に知られぬ電光の、疾しや遅しやその時この時、背面の....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
て絡み合い縺れ合いながら、太い綱を張り渡した木通や海老蔓や野萄葡などが、鋭い鎌の
刃先に懸けられて、気持よく左右に薙ぎ倒されている、中にも往生際の悪い奴は、玉紫陽....