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分け
「分け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
ると、※をついたことを後悔する、――と云うよりも寧《むし》ろ彼女の心も汲《く》み
分けてくれない腰ぬけの母に何か情無さを感じ勝ちだった。
お鈴は父を送り出した後....
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
あるのでしょう? 大学の教授は野菜学の講義をしているそうですから、野菜の善悪を見
分けるくらいは何でもないと思いますが、……」
老人「ところが大学の教授などはサ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いくらい、いかにももの静な御威光がございました。
が、大殿様と若殿様とが、取り
分け違っていらしったのは、どちらかと云えば、御気象の方で、大殿様のなさる事は、す....
「河童」より 著者:芥川竜之介
え。」――僕はこう考えましたから、梓川の谷を離れないように熊笹《くまざさ》の中を
分けてゆきました。
しかし僕の目をさえぎるものはやはり深い霧ばかりです。もっと....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
がら、その癖|冗談《じょうだん》のようにこんな事を云った。姉は去年縁づく時、父に
分けて貰う筈だった物が、未《いまだ》に一部は約束だけで、事実上お流れになっている....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
たった一人、山の中の古沼へ魚を釣りに行っていると、偶然そこへ思兼尊が、これも独り
分け入って来た。そうして隔意なく彼と一しょに、朽木《くちき》の幹へ腰を下して、思....
「少年」より 著者:芥川竜之介
テエブルの前へ及び腰になった主人の手もとを眺めている。綺麗《きれい》に髪を左から
分けた、妙に色の蒼白い主人の手もとを眺めている。時間はやっと三時頃であろう。玩具....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
に、帰命頂礼《きみょうちょうらい》熊野三所《くまのさんしょ》の権現《ごんげん》、
分けては日吉山王《ひよしさんおう》、王子《おうじ》の眷属《けんぞく》、総じては上....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
ら、一同集って、手負《てお》いを抱きあげて見ると、顔も体も血まみれで誰とも更に見
分ける事が出来ない。が、耳へ口をつけて呼ぶと、漸く微《かすか》な声で、「細川越中....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
た時の話になった。丁度この話へ移る前に、上人が積荷の無花果《いちじゅく》を水夫に
分けて貰って、「さまよえる猶太人」と一しょに、食ったと云う記事がある。前に季節の....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
私に思わせた。 私は毎日顔を剃りながら我とわが咽喉をかき切ってしまおうという聞
分けのない衝動を感じた。頬にシャボンの泡のついた、見あきた自分の顔が鏡に映ってい....
「初雪」より 著者:秋田滋
を焦すほど熱かったが、氷のような風が、背中へはいって来て、それが膚と着物との間を
分け入ってゆくような気がした。彼女のからだは、脳天から足の先まで、ぶるぶる顫えて....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
特別に注文した。初めは頭髪が褐色で、ちぢれておったが、後には白くなった。真中から
分けて、下げていた。」 晩年に、病後のファラデーの講演を聴いたポロック夫人の書....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ときには、彼は毛皮の帽子をかぶり、その上に狐の尻尾をなびかせているので、すぐに見
分けがついた。何か寄り合いをしている田舎の人たちが、この有名な頭飾りを遠くに見つ....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
た。今はもう気も顛倒してしまった彼は、我が子の名を呼びつづけながら、闇の中をかき
分けるようにして馳けて行った。 「ジャン! ジャーン!」 こうして彼は、烈しい....