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「分ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
ばんどころ》の婢女《みずし》をしていたころの事を思えば、――いや、思いがけない身分ちがいの男に、いどまれて、とうとう沙金《しゃきん》を生んだころの事を思えば、今....
小さき者へ」より 著者:有島武郎
に、小さく固まって身を護《まも》ろうとする雑草の株のように、互により添って暖みを分ち合おうとしていたのだ。然し北国の寒さは私たち五人の暖みでは間に合わない程寒か....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いたのは水であったか。 死もなく、また永遠の生というものもなかった。 昼と夜との分ちも未だなかった。 ある一つの名のない「物」が深い溜息をしていた、 その外には....
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
泣いて泣いて泣きつくして別れた二人には、またとても言い表すことのできない嬉しさを分ち得たのである。 五 翌晩省作からおとよの許に手紙がとどいた。 ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
帽子の鍔を深く下げていた。覆面の怪漢――そういえば、これは例の問題男の青竜王と寸分ちがわぬ服装をつけていた。おお、いよいよ青竜王が乗りこんで来たのであろうか。 ....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
としても確かに不義でないという反証を提出することは出来なかった。与市の母や兄は身分ちがいの悲しさに、しょせんは泣き寝入りにするのほかはなかった。 それと同時に....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
いきや轎の内には又ひとりの女が坐っていた。それは年頃も顔かたちも風俗も、新婦と寸分ちがわない女で、みずから轎を出て来て、新婦と肩をならべて立った。それには人びと....
続獄中記」より 著者:大杉栄
こうしてみんなが、若い男のやさしい眼つきの返礼に、何ものにも換え難いほどの喜びを分ち合っている間は無事だ。が、それだけでは、満足のできない男が出て来る。その眼の....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
いよいよあきらかとなった。 怪物の死骸は、現場で立体写真におさめられ、実物と寸分ちがわない模型を作りあげる仕事が進められた。それからこの怪物のからだに附着して....
獏鸚」より 著者:海野十三
ローマ字を逆にした AMARA――アマラなんだ。マラアとアマラとは文字の配列が大分ちがう」 「なるほどね」と私は感心した。 「そこで何故これに気がついたかという....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
いそうな、引傾いだ小屋に、筵を二枚ぶら下げて、こいつが戸になる……横の羽目に、半分ちぎれた浪花節の比羅がめらめらと動いているのがありました、それが宿はずれで、も....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
、つかつかと靴を近けて差覗いたが、ものの影を見るごとき、四辺は、針の長短と位地を分ち得るまでではないのに、判然と時間が分った。しかも九時半の処を指して、時計は死....
式部小路」より 著者:泉鏡花
おりません。誰方、という挨拶で、ちと照れましたがな。以前、人形町辺に居りました時分ちょいちょいお店へ参って、といってこの天窓に対して、(肖顔画などを孫どもに買っ....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
、算盤を持つのが本領でなかったから、維新の変革で油会所を閉じると同時に伊藤と手を分ち、淡島屋をも去って全く新らしい生活に入った。これからが満幅の奇を思うままに発....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
る羊蹄山も見ゆべく、日本海も見ゆべく、太平洋も見ゆべし。飲める口の水姓氏には酒を分ち、飲めぬ口の塩谷氏には氷砂糖を分ちて、一行二分す。旭川よりの四人は残り、層雲....