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「分らず屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分らず屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虞美人草」より 著者:夏目漱石
るようだ。 「小野さん、あなたには分るでしょう」と藤尾の方から切って出る。糸子は分らず屋として取り除《の》けられた。女二人を調停するのは眼の前に快《こころよ》か....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
の願いと同一視してしまったのである。余は、腹が立った。特許局の役人は、なんという分らず屋であろうか。 余は、その拒絶理由通知書を机の上に置いたまま、二時間あま....
深夜の市長」より 著者:海野十三
達にも、それから女のお友達にも、だんだん軽蔑されてきました。そして遂にあたくしは分らず屋で異端者のように嘲笑されて来たのです。あたくしはとうとう職業まで失ってし....
蠅男」より 著者:海野十三
いっていた。どうやら警官の取扱いに憤慨しているらしかった。 「……どうもお前らは分らず屋ばかりじゃのう。早く分る男を出せ。天下に名高い儂を知らないとは情けないや....
ロンドン一九二九年」より 著者:宮本百合子
はこの頃一種の目立ちかたをして来た。政権をとっては左であり得ず、またそのような「分らず屋」でもないことを英国の資本主義と保守とに向って事実上表明しつつある労働党....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
れでお前が、私に言って責めるように、「今に良くなるだろう。」と安心しているほどの分らず屋ではなかったが、けれども唯お前と差向ってばかりいたのでは何を目的に生きて....
貞操問答」より 著者:菊池寛
出るということが、お母さんは、嫌いなんですよ。」 「なにいってるの。お母さんは、分らず屋ね!」 「お前こそ分らず屋ですよ。五百円なんて、まとまったお金を出せば、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れで結構といったのだ。俺の責任だ。お前が心配をすることは一つもない。向うの人間が分らず屋なんだ」 と、一時は気をわるくしても、私のことは、こういって、サッパリし....
凍雲」より 著者:矢田津世子
事がこう面倒になってきては、全く手の施しようもない。意地を張っている俺方の母親も分らず屋だが、犬っころみたいにお前を連れ帰ったお父さんも少し短気すぎる。でも、柳....
訳本ファウストについて」より 著者:森鴎外
はないと思う。」キュウネマンさんの詞から推すと、ドイツ人の中のあるものは日本人を分らず屋ばかりだとしていると見える。その位だからドイツで興行した時の見物と日本で....