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「分別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
浅草公園」より 著者:芥川竜之介
である。少年は怯《お》ず怯《お》ずこの店にはいり、空気銃を一つとり上げて全然|無分別《むふんべつ》に的《まと》を狙《ねら》う。射撃屋の店には誰もいない。少年の姿....
偸盗」より 著者:芥川竜之介
《たづな》を握ったまま、血相を変えて歯がみをした。このことばの前には、いっさいの分別が眼底を払って、消えてしまう。弟か沙金《しゃきん》かの、選択をしいられたわけ....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
な語《ことば》には、妙な鋭さがあったのである。 「しかしまず若い者は、生きのこる分別をすることです。討死はいつでも出来ますからな。」 ほどを経《へ》て、馬琴が....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
しまいました。つきましては、先生のような倫理学界の大家の御説を伺いましたら、自然分別もつこうと存じまして、今晩はわざわざ推参致したのでございます。いかがでござい....
温泉だより」より 著者:芥川竜之介
時計や背広までも売るようになって来ました。ではその金はどうしたかと言えば、前後の分別《ふんべつ》も何もなしにお松につぎこんでしまったのです。が、お松も半之丞に使....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
声を浴びて、しばらくはぼんやり佇《たたず》んで居た。また実際それよりほかに、何の分別もつかないほど、殺気立った彼の心の中《うち》には、気も狂いそうな混乱が、益々....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
理に元気の好い声を出しながら、「何、そんなに心配おしでない。長い間にはまた何とか分別もつこうと云うものだから。」と、一時のがれの慰めを云いますと、お敏はようやく....
或る女」より 著者:有島武郎
は物をいうのがさすがに億劫《おっくう》だった。興録は事務長の意向を読んで取ると、分別《ふんべつ》ぶった顔をさし出して、 「それに限りますよ。あなた一つ病気におな....
或る女」より 著者:有島武郎
見分ける事ができた。背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく分別《ふんべつ》の備わった、きかん気らしい、垢《あか》ぬけのした人がそれに違いな....
星座」より 著者:有島武郎
なかったろう……」 「それだでなおのこと気の毒だ、わし」 と渡井が涙の中から無分別げな、自分の感情に溺れきったような声を出した。男の生徒たちは、「おおげさなま....
婦系図」より 著者:泉鏡花
類の袂へすっこかしにして、証拠が無いから逆捻じを遣るでございます、と小商人風の一分別ありそうなのがその同伴らしい前垂掛に云うと、こちらでは法然天窓の隠居様が、七....
三つの宝」より 著者:芥川竜之介
しません。とかく人間と云う者は、何でも身のほどを忘れないように慎み深くするのが上分別です。 一同 そうなさい。そうなさい。悪い事は云いはしません。 王子 わたし....
追憶」より 著者:芥川竜之介
二月のある夜、(僕は数え年の五つだった)地震のために目をさました「てつ」は前後の分別を失ったとみえ、枕もとの行灯をぶら下げたなり、茶の間から座敷を走りまわった。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
多愛もないが、同じ妖精でも、五百|年、千|年と功労経たものになると、なかなか思慮分別もあり、うっかりするとヘタな人間は敵わぬことになる。例えばあの鎌倉八幡宮の社....
活人形」より 著者:泉鏡花
だえ。「どうするって何をどうする。と空とぼければ擦寄って、「何をもないもんだよ。分別盛りの好い年をして、という顔色の尋常ならぬに得右衛門は打笑い、「其方もいけ年....