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分別盛り
「分別盛り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分別盛りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
て来た。 五郎三郎ももう隠す訳にも行かなくなって、盤の上の一目二目の争いから、
分別盛りの侍がおとなげない刃物|三昧《ざんまい》をしたと思うな、家のため、親類縁....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
卑怯者があるかッ。さ! 抜けッ、抜けッ。抜かぬかッ」 それもどうやら四十過ぎた
分別盛りらしいのを筆頭に、何れも肩のいかつい二本差しが四人して、たったひとりを追....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
騒がずに立ち現われたのは、尋ねるあるじです。年のころは五十かっこう、今がいちばん
分別盛りな年配も年配でしたが、諸家諸侯にも出入りのかのう身分がそうさせたものか、....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
上って来て礼儀正しく、むす子に低声で何か真面目な打合せをすると、むす子は一ぱしの
分別盛りの男のように、熟考して簡潔に返事を与えた。老紳士は易々として退いて行った....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
井も顔の色を悪くしました。 今井の屋敷の主人は佐久馬と云って、今年は四十前後の
分別盛り、人間も曲った人ではありませんでしたが、今日の詞でいえば階級思想の強い人....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
の謀略を用いる点に於ては家康よりはずっと辛辣である。厳島合戦の時、恰度五十二歳の
分別盛りである。長子隆元三十二歳、次子|吉川元春二十三歳、三子隆景二十二歳。吉川....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
三年の月日を送ったことを忘れない。明治十九年の春が来るころには、彼も四十歳に近い
分別盛りの年ごろの人である。いよいよあの古い歴史のある青山の家も傾いて来て、没落....
「獄中記」より 著者:大杉栄
二十二の春から二十七の暮までの、ちょいちょい間を置いた六年間のことだ。そして僕が
分別盛りの三十四の今日まだ、危険人物なぞという物騒な名を歌われているのは、二十二....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
た来る」と細川は突然富岡を出て、その足で直ぐ村長を訪うた。村長は四十|何歳という
分別盛りの男で村には非常な信用があり財産もあり、校長は何時もこの人を相談相手にし....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
世に生きている甲斐がありませぬ……。』 この男は三崎の町人で、年輩は三十四五の
分別盛り、それが涙まじりに斯んなことを申すのでございますから、私は可笑しいやら、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
。元来、遠縁に当る家柄の者で、姓も同じ不破である。重二郎は当年三十七。これからが
分別盛りで、手腕の揮いどころという大切なところであるが、彼は主家の娘トミ子を妻に....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
ら夫に訴えられたのは言うまでもない。しかも七兵衛は半信半疑であった。一家の主人で
分別盛りの七兵衛は、単にそれだけの出来事で、その怪談を一途に信じるわけにいかなか....
「純情狸」より 著者:佐藤垢石
頂くことにするからというのである。 さて、瀧川一益の家臣に、吉野雀右衛門と呼ぶ
分別盛りの武士があった。厩橋市中取締を役目としているのであるけれど、雀右衛門とい....
「入れ札」より 著者:菊池寛
踏んでいちゃ、旅先で、飯にはならねえぞ」 そう云ったのは、松井田の喜蔵と云う、
分別盛りの四十男だった。忠次も喜蔵の才覚と、分別とは認めていた。彼は、心の裡で喜....
「活人形」より 著者:泉鏡花
だえ。「どうするって何をどうする。と空とぼければ擦寄って、「何をもないもんだよ。
分別盛りの好い年をして、という顔色の尋常ならぬに得右衛門は打笑い、「其方もいけ年....