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分利
「分利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
のに、安二郎は、 「わいの計算では未だ三百円残ってる。これでもお前のことやから大
分利子をまけたってるねんぜ」そしてお君の貰う仕立物の賃をまきあげるのだった。お君....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
敬太郎《けいたろう》に取っては、多大の興味があるのみではない、聞きようしだいで随
分利益も受けられた。 その上敬太郎は遺伝的に平凡を忌《い》む浪漫趣味《ロマンチ....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
自然派の論が盛になりましていろいろの雑誌にその説明などがたくさん出て、私なども大
分利益を受けました。我々日本人が仏蘭西《フランス》の自然派はこう発達したの、独乙....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
た立派な設備の理化学実験室や、この天文台や植物園で暮していた。が、生徒にそれを十
分利用することは少しも教えなかった。そして僕等が学校を出てから、どこかからその批....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
八〇〇円 昼間電気位は来ていると私は思っていた。亀楽煎餅の別荘とか、佐
分利公使の家とかがあるのだから、そんな事は考えていなかったら、こういうブルジョア....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
な経験をした。面白いから、書留めて置こう。 ビールの後で飲んだバーガンディが大
分利いたと見え、フンク氏の家を辞した時は、かなり酩酊《めいてい》していた。ホテル....
「時事雑感」より 著者:寺田寅彦
の万分の一もできないであろうから、おそらくこの貴重な機会はまたいつものように大部
分利用されずに逃げてしまうであろう。 蟻の巣を突きくずすと大騒ぎが始まる。しば....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
番適任かな?」 「拙者突き止めてお眼にかける!」 こう豪然と云った者がある。佐
分利流の槍術指南|右田運八無念斎であった。 「お、右田殿か、これは適任」 「さよ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
品の価格を下げろというのである。 ところがこの法律の実質を、これまでにすでに充
分利用しつくした産業資本家は、もはや独占の鞏固さに自信をもった以上、この法律の倫....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
れはくるりと向きを変えるとテーブルに近寄って、引き出しをあけて、五千ルーブルの五
分利つき無記名手形を取り出した(それはフランス語の辞書にはさんであった)。それか....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
して、本年二月中ごろに、又々同じような事件が起りました。音羽の山林の藪の中に、佐
分利ヤス、マサと申す母子が、ノド笛をかみとられ、腹をさかれ肝臓を奪われてことぎれ....
「善悪両面鼠小僧」より 著者:国枝史郎
本で五十四万石の大名中での大々名、細川越中守はこう云って、小野派一刀流指南役、左
分利新十郎をジロリと見た。 「は」と云ったが新十郎、下げていた頭をまた下げる。 ....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
活動との意味が極めて明瞭になってくる。 今例えばパリの取引所において行われる三
分利付フランス国債の取引を、他の取引から引離して観察してみる。 三
分利付公債は....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
に敬礼を尽すのでございます。それはさておき、私はこれから
私もその人のためには充
分利益になる事をしてやったものですから、もちろん自分が恩を被せたのを鼻にかけてそ....
「マリ・デル」より 著者:神西清
小屋も物色したるんだ。……無いのは金だけさ。……お前がも少し解りのいい女なら、五
分利なんて吝なのとはとっくの昔にお別れができるになあ……あんな優先株なんて……」....