分化[語句情報] » 分化

「分化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分化の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
小さき者へ」より 著者:有島武郎
とはどうしても出来ない。私がお前たちの母上の写真を撮ってやろうといったら、思う存分化粧をして一番の晴着を着て、私の二階の書斎に這入って来た。私は寧《むし》ろ驚い....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
してさらに詳《くわ》しくいえば、純粋自然主義はじつに反省の形において他の一方から分化したものであったのである。 かくてこの結合の結果は我々の今日まで見てきたご....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
上げられて来た。外界は謂わばお前の皮膚を包む皮膚のようになっている。お前の個性は分化拡張して、しかも稀薄な内容になって、中心から外部へ散漫に流出してしまった。だ....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
母、角閃石、白榴石、霞石を含んでいない。これらは地球内部から来る熔岩からいわゆる分化作用によって生ずるものである。 この分化作用の起り得るためには多量な熔融塊....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
、今日では大きく外れて來た。社會の階級構成はむしろ逆に、文明の進んだ國ほど複雜に分化し、ブルジヨアでもプロレタリアでもない階級がいよいよ増加しつつあり、これが社....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
かくて生命はおのれみずからの中に含蓄的(implicit)に潜める内容をしだいに分化発展してわれらの内部経験は日に日に複雑になってゆく。この複雑なる内部生命はお....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
それは、幽玄とか有心とか云って、深みを要求していながら、歌人の心の全体が常識的に分化してしまったからである。 ○ 春の野に菫採みにと来し吾....
人形の話」より 著者:折口信夫
通の学者は形代(人間の身体の替りのもの)と考えている。この形式が、いろんなものに分化していく。盆暮に社から人間の形に切った紙を出す。それに米など添えて社に持って....
純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
るとすれば、これらそれぞれの仕事を自ら必要と信ずるだけするであろう。同様に職業が分化している場合にも、製造工業家が多過ぎて、他方百姓が少な過ぎるようなことがあっ....
自分と詩との関係」より 著者:高村光太郎
むのである。ああそうだと人々が思うのである。それが詩の発足で、それから詩は無限に分化進展する。私自身のこの一種の詩の分野も、詩の世界は必ず之を抱摂して詩そのもの....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
れていたのが、国家以前からの状態である。其が各、寿詞・歌垣の唱和・新叙事詩などを分化した。かけあい歌が、乞食者の新叙事詩の影響をとり入れて行く中に、しろうとの口....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
ると、其処にわが国での日想観の様式は現れて来ねばならぬ訣である。 日想観の内容が分化して、四天王寺専有の風と見なされるようになった為、日想観に最適切な西の海に入....
四十年前」より 著者:内田魯庵
吹く国粋主義は代る代るに武士道や報徳講や祖先崇拝や神社崇敬を復興鼓吹した。が、半分化石し掛った思想は耆婆扁鵲が如何に蘇生らせようと骨を折っても再び息を吹き返すは....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
りの古い観念が残っているのである。だから平安時代にはまだ物語と歴史との概念は充分分化していないのである。その証拠は、『源氏物語』の調子で藤原道長を中心に藤氏の栄....
日本歴史の研究に於ける科学的態度」より 著者:津田左右吉
す」)という意義のことであり、部族の首長の地位において政治的権力と宗教的権威との分化しなかった未開時代の多くの民族に共通な思想のうけつがれたものとして解し得られ....