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分宿
「分宿〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分宿の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「秋の暈」より 著者:織田作之助
のびした声で、駅の名を称んでいた。乗って来た汽車をやり過して、線路をこえると、追
分宿への一本道が通じていた。浅間山が不気味な黒さで横たわり、その形がみるみるはっ....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
た。何時も自分の宿に訪ねてくる特高係が、街で彼を見ると寄ってきた。 ――君は大
分宿代を滞こらせてるんだな。 と、ニヤ/\云った。 ――じゃ、君か! 彼は....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
。そのおつもりでお聴きの程を願います。徳川家が瓦解になって、明治|四五年の頃|大
分宿屋が出来ましたが、外神田松永町佐久間町あの辺には其の頃大きな宿屋の出来ました....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
渡っていた。 江戸へ出る途中、半蔵は以前の旅を思い出して、二人の連れと一緒に追
分宿の名主文太夫の家へも寄って来た。あの地方では取締役なるものができ、村民は七名....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
であったが、江戸へ来ると、格で分れて、この界隈《かいわい》の役者目当ての宿屋に、
分宿していた。
雪之丞とて、師匠の隣部屋に、宿る程の分際ではなかったが、弟とも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、野郎を貰いに来た。こいつは小諸の牢に二百日ばかりいたが、或る晩牢抜けをして、追
分宿へ来て、女郎屋へ金をねだり、一両取って帰る道だと言った。音吉とて子分が百人も....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
まで兵隊がいろいろやるのを見物し、連隊長の訓示というものも拝聴しました。それから
分宿している箇人の家へ行って一休み。午後は六時頃までいろいろ不足の品を買いものし....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
当に何よりでした。安心して、すこしゆとりのある工合でしたからようございました。随
分宿もひどくて、その点ではお困りでしたようですが、友ちゃんは髪結いに行ってウェー....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
ポンポン、ポンポンと美しく、同じ音色に鳴っていたのであった。 浅間の麓追
分宿 いまの地理で説明すると、長野県北佐久郡、沓掛近くの追
分宿は、わずかに戸数....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
と、右往し左往し走り廻り、邪魔になる博労、馬の群を、見境いもなく切りつ薙ぎつ、追
分宿の方へ走る! 走る! と、この時一挺の駕籠を、菅の笠に旅合羽、長脇差を揃っ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
浪人小笠原金三郎、同じく駒越|左内、医師|奥野俊良、これだけが半田屋九兵衛方に当
分宿泊となった。主人はもう有頂天で、三人を福の神扱いにした歓待ぶり。別して金三郎....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
るいは有縁の者が、 「御盛儀のおん祝いに」 と、続々出府して来て、鎌倉じゅうに
分宿していた。 それは、驚くべき人数となった。――野州足利ノ庄は、足利の本拠と....
「大谷刑部」より 著者:吉川英治
、そこの土塀や中門を繞らして、厩には、馬の嘶きが旺であった。宿場には、彼の手兵が
分宿し、往来には、篝火が夕月を焦がすほど煙を揚げている。 「これで三度目だ、いく....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
た汽船だ。それに今日初めて、真岡に上げ棄てにされて、団員が三方に別れ別れに今晩は
分宿するというのだから、何かしら心細い頼りないような気がしないではなかった。それ....