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「分引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
でもございますので。」 「さかつかえるどころじゃない。今年は読本《よみほん》を大分引き受けたので、とても合巻《ごうかん》の方へは手が出せそうもない。」 「なるほ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ちゃけた舌を吐いて、最期の苦悶の痕がその死に顔にありありと刻まれていた。寝衣は半分引きめくったように、肩から胸のあたりまで露出になって、男かと思われるような小さ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
付なぞになると、この仕分けがまた容易でなかった。いかに言っても、会所や問屋場は半分引っ越しの騒ぎだ。いろいろなことが胸に満ちて来て、諸帳簿の整理もとかく彼の手に....
」より 著者:島崎藤村
いいぜ。」 「そうだよ。」 と、また次郎が答えた。 五月にはいって、次郎は半分引っ越しのような騒ぎを始めた。何かごとごと言わせて戸棚を片づける音、画架や額縁....
分配」より 著者:島崎藤村
をいじらしくも思った。 この三郎を郊外のほうへ送り出すために、私たちの家では半分引っ越しのような騒ぎをした。三郎の好みで、二枚の座ぶとんの更紗模様も明るい色の....
田舎教師」より 著者:田山花袋
ってくんなせい」 「五ぐらいならいいが」 「五なんてそんな値はねえだ。じゃいま半分引くべい」 清三は校長さんの物を買うのに上手なのを笑って見ていた。六がけで話....
」より 著者:徳田秋声
行ってるといい。」笹村はとげとげした口の利き方をした。 「うむそれがいい。己が当分引き取ってやろう。今のところ双方のためにそれが一番よさそうだぜ。」 K―は光....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
新婦は初めて名を聞いた。媒妁なンか経験もなし、断ったが、是非との頼み、諾と面白半分引受けてしもうた。 明治四十年の九月|某日、媒妁夫妻は小婢と三人がかりで草屋....
大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
れだけ信用してかわいがってやっているのに、こうこうの所業です。これでは困るから当分引き取らせてほしいということだ。まず放逐だけは許された私は、学校生活も院代の役....
作男・ゴーの名誉」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
チラバッておったものを一所へ集めたものではあるですが。師父さんも城内の装飾が大部分引はがされたり、もぎ取られたりした歴々たる形跡のあるのを既に御覧の事とは思いま....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
か肉にさわるか、とても骨までは達しません。そこがつけ目でございます。そうやって充分引きつけて置いて、いよいよ気合いが充ちた時、それこそ待ったなしでございますな、....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
私は気に入りました」 私は平尾さんにこういいますと、 「妙な家が好きですね。随分引っ込み過ぎて不便なことじゃありませんか。……しかし、なるほど、あなたの好きそ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
身に染みた様子であった、金之助は改めて硝子杯を挙げ、「もう一杯景気をつけよう、大分引込まれて私まで妙になった、お前にも似合わない何も鬱ぐにも当るまい、」と、激ま....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
雰囲気の中に捲き込まれるのはまっぴらだと思った。多可子は下膨れのした白い丸顔を幾分引き締めて、前窓の敷居を見詰めていた。だがやっぱり心の中ではまさに萎縮しようと....
俗法師考」より 著者:喜田貞吉
も書き、あるいは理窟責めに、唱文師・誦文師などの文字を用いた例もすでに柳田君が十分引証せられてあるが、これらはいずれもその根原を忘れた後のあて字であって、もって....