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「分捕り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

分捕りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
恩を返す話」より 著者:菊池寛
たような心がして、心苦しくさえ思ったのである。 その後も、惣八郎が金の十字架を分捕りしたという話をする者はあったが、しかしそのできごとについては、誰も一言もい....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
、残り二千百五十円行方不明、石磴《いしだん》、石燈籠、手水鉢等はことごとく誰かの分捕りとなる。かかる例多きゆえ、『紀南新報』に、今の合祀の遣《や》り方では、故跡....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
伐のみぎりに、高島が十代前の祖先の弥五右衛門は藩主にしたがって渡海した。その時に分捕りして持ち帰ったのが彼の二品で、干枯びた人間の首と得体の知れない動物の頭と―....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
供のことで手が届かない。閻魔王の膝に上り、短刀を抜いてその目をえぐり取り、莫大な分捕り品でもしたつもりで、よろこんで持ち帰った。あとになってガラスだと知れた時は....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
だ。吉、てめえアまたいい物引っかけていやがるじゃねえか」 吉といわれし軍夫は、分捕りなるべし、紫|緞子の美々しき胴衣を着たり。 「源公を見ねえ。狐裘の四百両も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
見られたものじゃねえ、無論、お持たせの金銀米穀は置きっぱなしさ、その上に置きざり分捕りの利息がつこうというものだ。右の次第で、その場の一揆は退散いたしやしたが、....
心の王者」より 著者:太宰治
ぐるりに早速縄を張り廻らし、そこを己れの楽しい狩猟と逢引の場所とした。市長は巷を分捕り、漁人は水辺におのが居を定めた。総ての分割の、とっくにすんだ後で、詩人がの....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
とで、誰がどうしたのか、五十俵百俵はたちまち消えてなくなる。群集の者は、もう半分分捕りでもする気になり、勝手に振る舞い、果ては上野の山の中へ押し込んで行き、もう....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
うと、一円出して蓮杖は銅牌を貰って帰った。橋弁慶の行衛は不明であるが、この弁慶が分捕りした銅牌は今でも蓮杖の家に残ってるはずだが、これも多分地震でどうかしてしま....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
いう事の働きをするかといえば、まず戦争が起れば乱暴|狼藉を働いて、内地人の財産を分捕りする位の事でとても国の役には立たない。これは畢竟妻帯に原因するので、兵士と....
三国志」より 著者:吉川英治
彼の捨てて行った食料、重大の図書、金銀絹帛の類などぞくぞく発見されたし、そのほか分捕りの武器馬匹など莫大な額にのぼった。 また、それらの戦利品中には、袁紹の座....
三国志」より 著者:吉川英治
いた。打ち取った※首だけでも七百余級、雑兵に至ってはかぞえるにもかぞえきれない。分捕りの馬匹だけでも千余頭あった。 かくて陸遜は、魏の勢を遠く追って、完全なる....
三国志」より 著者:吉川英治
王平はすぐ、「それっ。流馬を曳け、木牛を推せ」と部下を督した。千余輛の木牛流馬を分捕り、道を急いで、以前の北原へ引っ返して行った。 北原は魏の一基地である。こ....