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分業
「分業〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分業の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
むのだ。前へ、後へと踏みながら、豹一は泣き出したい顔をぽかんと天井へ向けていた。
分業だから、少しも休むわけには行かなかった。欠伸一つ出来ぬ忙しさで、豹一は泡食っ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
子捕縛の声の為には忽ち兄弟の様に成って、言い合わせる暇もないが、早くも二人の間に
分業の課が定まり、時介は飛鳥の様に室の入口に飛んで行き、其の戸に堅く錠を卸し、猶....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
な危険な火山頂上の舞踏はしていない。お前の手は、お前の頭は、お前の職業は、いかに
分業的な事柄にわたって行こうとも、お前は常にそれをお前の個性なる私に繋いでいるか....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
る筈がなかった。又、生産力の強度化を計るために、現在行われている機械組織がモット
分業化され、賃銀の高い熟練工を使わずに、婦女子で間に合わすことが出来ないか、コン....
「獄中生活」より 著者:堺利彦
衣食住の間に、電灯鉄道蒸汽等種々なる文明の利器を利用して、各その才能性情に応ずる
分業をなし、ほぼ共同自治の生活をなしている。況んや心身の疾病のためには、病院もあ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
とは思っていますが、一口に云えばこうなるようです。王への忠誠、公平の労働、完全の
分業、協同的動作、等、等、等、といったようなものでね。いや実際人間などより、どん....
「婦人の天職」より 著者:堺利彦
ただし小生といえども、全く男女性情の差異を認めざるにあらず。婦人がその生殖作用の
分業より来たる必然の結果として、生理上ある点において男子と異なる傾向を生ずるは、....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
所謂智慧の発達というようなことにつれて、世の中の仕事がいろいろ複雑化して、そこに
分業が行われるようになって、俳優が所謂神を祭る仕事と段々に分れてきた。つまり神主....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
婬を鬻ぐを業としていたらしい。しかるに鎌倉時代塵袋の頃になっては、その遊芸の方は
分業となって自ずから流れを異にし、クグツの女は遊君の如く、男は殺生を事とすとある....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
で、今ではもっぱら金を打って刃物やその他の金属具を作る職人ではあるが、昔はそんな
分業はなく、同じ仲間で自ら炭をも焼き、その炭で砂鉄を蹈鞴にかけて地金をも作ったも....
「サンカ者名義考」より 著者:喜田貞吉
呼び、坂の者をも或いは河原者と呼ぶ事にもなったらしい。しかるに後世では次第にその
分業の色彩が濃厚となって、河原者の名がその実河原住まいならぬ俳優のみの称呼となっ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
上で揉み上げた。 「いったい、この頃は芸術でも教育でも何でも彼でもあまりに専科的
分業的になり過ぎている。で、いよいよ偏狭になり不統一になりやしないかと思うね。我....
「特殊部落の成立沿革を略叙してその解放に及ぶ」より 著者:喜田貞吉
れを守具と書き、後には文字をかえて森具村となっております。思うに三島の夙は、まだ
分業の判きりせぬ前に、皮細工をやっていた為に穢多になったのでありましょう。紀伊那....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
また質権の目的物としたものであった。 かくの如く、いわゆる下り者の職業も次第に
分業になって、警察事務に従事する非人の長吏が、必ずしも皮革業者とは限らなかったが....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
・聖等の区別ばかりでなく、奈良朝頃からすでに、その行によって、法師にも浄行智行の
分業があったものらしい。 智行僧のことはしばらく措く。浄行僧島に流された一方に....