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分水嶺
「分水嶺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分水嶺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
原川(神通川)とは別な、梓川(越後に入って信濃川)となり、硫黄岳は今日では、両川
分水嶺の一座になっているが、湖底が乾いて洲となり、河原となり、残丘となって、今の....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
をくねりくねり蜿々《えんえん》と高原を這いのぼっていく。そして、やがては十石峠を
分水嶺に、上信《じょうしん》の国境を越えてゆくのだ。ところが、その峠をくだり切っ....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
眼界は急にはるばると広がって見える。 なんという広大なおごそかな景色だ。胆振の
分水嶺から分かれて西南をさす一連の山波が、地平から力強く伸び上がってだんだん高く....
「白妖」より 著者:大阪圭吉
であって、東に相模灘、西に駿河湾を俯瞰しつつ一面の芝草山が馬の背のような際立った
分水嶺を形作っているのだが、岳南鉄道株式会社はこの平均標高二千五百|呎の馬の背の....
「単独行」より 著者:加藤文太郎
を出発して尾根へ登り進めば道あり、国境線に沿いて森林の中を進み、大井川と三峰川の
分水嶺附近へくると水が出ている。ここに小屋の跡があるが、小屋はわからなかった。こ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
の運河の開鑿者であるリケの記念碑が、大西洋に注ぐ水と地中海に落ちる水とが分かれる
分水嶺の頂に建てられてあった。 それからわたしたちは水車の町であるカステルノー....
「三筋町界隈」より 著者:斎藤茂吉
憶えている。 関山峠はもうそのころは立派な街道でちっとも難渋しないけれど、峠の
分水嶺を越えるころから私の足は疲れて来て歩行が捗らない。広瀬川の上流に沿うて下る....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
あるだけで、その湖面から確実な歴史を見分けることは全然できない。 神話と歴史の
分水嶺は、仏教の渡来だろう。はじめて実在の人間と遺物があって、それを証明するに足....
「雪代山女魚」より 著者:佐藤垢石
はそれがない。これを関西系の山女魚、関東系の山女魚と称している。 笹子の連山を
分水嶺として、西側甲府方面へ向かって流れ出し笛吹川へ注ぐ渓流は日川、東側へ流れ出....
「酒徒漂泊」より 著者:佐藤垢石
淵の山女魚の肌に浮く紫もまだ鮮やかに冴えていることであろう。 ところが、碓氷の
分水嶺を一足すぎて、この浅間の麓へ眼をやると、なんと寂しい、すべての草木の凋れた....
「水と骨」より 著者:佐藤垢石
境付近の尾瀬沼の東でつきる山脈の裏表は完全に、日本海へ注ぐ川と太平洋へ注ぐ川との
分水嶺をなしている。この山脈の中央に他を圧して聳立する大刀根岳の雪渓の滴りを源と....
「平ヶ岳登攀記」より 著者:高頭仁兵衛
した、ここまでは信濃川の流域であるが、峠から小倉山を経て駒ヶ岳に通じている山脈が
分水嶺となって、前面は銀山平即ち阿賀野川の流域となるのである、この峠は大明神峠と....
「可愛い山」より 著者:石川欣一
左は白樺の林、右手は急に傾斜して小さな盆地をなしている。佐野坂は農具川と姫川との
分水嶺である。この盆地に湛える水は、即ち日本海に流れ入るのであるが、とうてい流れ....
「鮎の名所」より 著者:北大路魯山人
る。 あゆのいいのは丹波の和知川がいちばんで、これは嵐山の保津川の上流、亀岡の
分水嶺を北の方へ落ちて行く瀬の急激な流れで、姿もよく、身もしまり、香りもよい。今....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
り、あるいはたたえて湖となり、風光実に秀絶なり。ようやく上り窮まりて絶頂すなわち
分水嶺に達する前後は、トンネルまたは雪よけ小屋の中のみを通過するも、水にそいたる....