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分疏
「分疏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分疏の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
こりゃア嫉妬《しっと》じゃアない……」 と不図何か憶出《おもいだ》して我と我に
分疏《いいわけ》を言て見たが、まだ何処《どこ》かくすぐられるようで……不安心で。....
「空車」より 著者:森鴎外
もまた恬としてこれを用いる。着意してあえて用いるのである。 そして自分で自分に
分疏をする。それはこうである。古言は宝である。しかし什襲してこれを蔵しておくのは....
「青年」より 著者:森鴎外
いだけで、小さい部屋を一つ貸してくれた。去就の自由がまだあるのなんのと、覚束ない
分疏をして見るものの、いかなる詭弁的見解を以てしても、その自由の大さが距離の反比....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
苧の縺の物思い、其色嫌よと、眼を瞑げば生憎にお辰の面影あり/\と、涙さしぐみて、
分疏したき風情、何処に憎い所なし。なる程定めなきとはあなたの御心、新聞一枚に堅き....
「辻馬車」より 著者:森鴎外
に言うのは、それを悪い事だったと思って後悔した時に限るようですからね。つまり別に
分疏がなくって、「時間」に罪を背負わせるのですね。 貴夫人。まあ、感心。 男。何....
「文づかい」より 著者:森鴎外
となりき。姫の目はよくものいうのみにあらず、人のいわぬことをもよく聞きたりけん、
分疏のように語をつぎて、「ファブリイス伯爵夫人のわが伯母なることは、聞きてやおわ....
「冬の王」より 著者:森鴎外
った。 「冬は中々好うございます。」 己はその顔を見詰めて、首を振った。そして
分疏のように、こう云った。「余計な事を聞くようだが、わたしは小説を書くものだから....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
大集経一部。 南本涅槃経一部四十巻。 四分律一部六十巻。 法励師四
分疏五本各十巻。 光統律師四
分疏百二十紙。 鏡中記二本。 ....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
方のように、
殿様に心からの尊敬をいたしているものは多いが、
そのくせ袖手傍看の
分疏しかしません。
内乱の萌があるの、民心が危険だのと。
帝
自己の安全....
「不苦心談」より 著者:森鴎外
心していない。こう云うのがえらがるのでないことは勿論である。また過誤のあった時、
分疏をするために予め地をなして置くのでもない。これは私の性質と境遇とから生じた事....