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分知
「分知〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分知の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
浅野が小大名として、代々節倹している家風を知っていたし、内匠頭の勘定高い性質も十
分知っていたので、 「それで、結構でしょう」と、いうほかはなかったが、伊東出雲と....
「恐竜艇の冒険」より 著者:海野十三
龍の目玉の中にとりつけてある写真機で、汽船のさわぎをいく枚も撮っておく。そして当
分知らない顔をしているのだ。そして、夏休みがすんだ頃、“恐龍艇の冒険”と題する例....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
松谷秀子が幽霊塔の時計の巻き方をまで知って居たのは何の為だ、輪田夏子ならば充
分知って居る筈では有るが、夏子でなくば知って居るいわれがない、其のほか塔の秘密に....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かかった。子分の船頭共もみな狩りあげられた。ただ、かの男とおとわのゆくえだけは当
分知れなかったが、それから半月ほど経った後、羽田の沖に女の死骸が浮かびあがった。....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
いであろうと思われる。』ビュッフォンも遊星軌道がほとんど円形であるということは多
分知っていたに相違ないが、しかしこの規則正しさについては何の説明も与えていない。....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
な陸海軍がある。通り一ぺんの軍備では、到底望をとげることは出来ない。そのことを十
分知りつくしているわれわれが、ひそかにもくろんだものは何か。太刀川君。賢明なる君....
「窃む女」より 著者:黒島伝治
「どうしたんだろう?」 一方では、物置きなどへは持って行った記憶がないのを十
分知っていながら、単なる気持を頼って、暗い、黴臭い物置きへ這入って探しまわった。....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ませる手を考えついたのだ。どうだろう、むつかしい相談だろうか? 君はその方面に多
分知己もあるとにらんでの頼みだが、面倒でも、ひとつ、口をきいてやつてもらいたい。....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
かり気にしている。正気の沙汰じゃなかったね……平素の日ならそれでもいいさ。君も充
分知っている通り、埋もれた宝庫を尋ねようと、西域の沙漠を横断して支那の首府まで来....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
と、こういう口実の下に泊まったのであった。 陣十郎は猪之松の屋敷で、嘉門を充
分知って居り、知って居るばかりか嘉門を襲った。――そういう事情があるによって、絶....
「選挙漫談」より 著者:黒島伝治
なんとか、うまいことを並べても、それは、その場限りのおざなりであることを彼等は十
分知りすぎている。では、彼等を貧乏から解放してくれるものは何であるか。──彼等に....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
にその通りのものであろうというような鬼である。 その夢はこうである。丁度その時
分知人の家庭に少しゴタゴタがあったのだが、夢の中もそのゴタゴタのため、その知人の....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
現代まで持続している豪家の子女達がその豊富な物資に伴う伝統的教習に薫育されて、随
分知識も感覚も発達して居る。だが結局その知識や教習がやがてそれ等自身を逆に批判し....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
な語気があった。万更文学の尊重を認めないどころか、現代文化における文芸の位置を十
分知り抜いているくせに、頭の隅のドコかで文学を遊戯視して男子畢世の業とするに足る....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
諸院が、吉野朝の皇居に軒を並べて御座あったこともあるのは、諸君も国史を学ばれて充
分知っておられるところであるけれども、何といっても大体は吉野が中心であった。あの....