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分銅
「分銅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
分銅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
て、子や孫のすすり泣く声が、だんだん遠い所へ消えてしまう。そうして、眼に見えない
分銅《ふんどう》が足の先へついてでもいるように、体が下へ下へと沈んで行く――と思....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
響かぬ。羅馬数字も風の硝子窓のぶるぶると震うのに釣られて、波を揺って見える。が、
分銅だけは、調子を違えず、とうんとうんと打つ――時計は止まったのではない。 「も....
「地球盗難」より 著者:海野十三
電球をつけ、それから中身に小さい受信機が入っていたり、石附のところには鈎のついた
分銅が入っていて、振るとブーンと呻りを立てて、長い綱が飛び出してくる仕掛けになっ....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
る……一方粉砕された旋回機に巻きついていたロープは切れて、回転動力の重錘というか
分銅というか、とにかくそいつが、この塔の中心を上下に貫いている三十メートルの円筒....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ものじゃ」 「勿論御名を申しあげたら御存じでごぜえましょうが、いつぞや大阪御城の
分銅流し騒動でやかましかった、竜造寺長門守様でごぜえます」 「なに! 竜造寺殿が....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
にいた男だが、湯へ往復する道で、やはり手錠をはめて、足枷までもはめて、そして重い
分銅のようなものを鎖で引きずって歩いているのによく出食わした。 その男もやはり....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
が一身|二一添作の五も六もなく出立が徳と極るであろうが、人情の秤目に懸ては、魂の
分銅次第、三五が十八にもなりて揚屋酒一猪口が弗箱より重く、色には目なし無二|無三....
「青春論」より 著者:坂口安吾
一尺三寸ぐらい。柄が一尺二寸ぐらい。この柄からクサリがつづいていて、クサリの先に
分銅がつけてある。之を使う時には、左手に鎌を持ち、右手でクサリのほぼ中程を持ち、....
「氷河」より 著者:黒島伝治
く紐で縛りつけた。それで手の方へは殆んど血が通わなくなっているのだった。腕は鉛の
分銅でも吊るしているように重かった。 「あゝ、たまらん。早よ軍医殿にそう云って呉....
「白銅貨の効用」より 著者:海野十三
、そんなツマンナイ物品ではないのである。 以下その効用について論旨を拡げたい。
分銅としての効用 十銭白銅貨は物体であるが故に重量をもつ。そして硬い物質で出来....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
いる。そして、その所々には、クルージイと呼ばれて魚油を点す壁灯や、長い鎖のついた
分銅を垂している、古風な時計などが掛けられているのだから、もしそこに石炉や自在鉤....
「銅銭会事変」より 著者:国枝史郎
くべき光景がそこにあった。銅銭会員十六人が、髪縄で絞首されていた。髪縄の一端には
分銅があり、他の一端は門の柱の、刳り穴の中に没していた。 十六人のうち三人が、....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
んな数々の災難が私と私思いの家族に降りかかるかもしれなかった! こういう致命的な
分銅を頸に懸け、地につくほど身を屈めたままで祝儀に臨むことができるだろうか。平和....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
ベルをとめようと手をかけると一緒に刀がはずれ出て胸を突き刺す。 ――天上から重い
分銅が現われたり、椅子の背から
分銅で頭蓋を割られたりなど。 ――寝台が体温で温た....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ールの左右にかかる力を均等にすれば解決するのだが、これには台座にバネを置いたり、
分銅をつるしたり苦心した。 一方紙についての苦労も多かった。段をつけても風に当....