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切
「切〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
には火《ほ》かげもちらちら映っている。そこへまた映って来る、憔悴《しょうすい》し
切った少年の顔。
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大きい石燈籠《いしどうろう》の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
負けざまは、間もなく蔭口《かげぐち》の的になった。「甚太夫は戦場へ出て、槍の柄を
切り折られたら何とする。可哀《かわい》や剣術は竹刀《しない》さえ、一人前には使え....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
たからね」 「そりゃ勿論御礼をするよ」 亜米利加人は惜しげもなく、三百|弗の小
切手を一枚、婆さんの前へ投げてやりました。 「差当りこれだけ取って置くさ。もしお....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
はどんなものだと云うと、一口に説明する事は困難だが、苦労人と云う語の持っている一
切の俗気を洗ってしまえば、正に菊池は立派な苦労人である。その証拠には自分の如く平....
「狂女」より 著者:秋田滋
た帰って来た。この町を占領していた軍隊は引上げて行った。隣の女の家は窓も戸もたて
切ったままになっていた。そして路次には雑草があおあおと生い茂っていた。 年老い....
「墓」より 著者:秋田滋
そうな顔をしており、その顔立ちにはどことなく凛としたところがあって、何かこう思い
切ったことをやりそうな眼つきをした男である。 傍聴席にはまたしても嘲罵の口笛が....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
めに綴るのだ。 私は素朴な両親にそだてられた。彼らは何ごとに依らず物ごとを信じ
切っていた。私もやはり両親のように物ごとを信じて疑わなかった。 永いあいだ私は....
「初雪」より 著者:秋田滋
ンプを持って来させる。それから煖炉のそばへ行く。山のように焚木を燃やしても、湿り
切った大きな部屋は、ねっから暖くならなかった。彼女は一日じゅう、客間にいても、食....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
ては危のうございますよ、危ないことをするものではありませんよ」と諄々と諭さるる深
切。さては我をこの橋上より身を投ずる者と思いてかくねんごろには言わるるよと心付き....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を取り、後で立派に清書して、節を
切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし、主人のリボーに献ずる由を書き....
「寡婦」より 著者:秋田滋
のですが、まもなく、その娘が側にいなければ片時も我慢が出来ないと云うほど、のぼせ
切ってしまったのでした。同じ屋敷に住んでいた娘さんと養女も、そうしたことを何でも....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
から低くぶつぶつ聞えてきたが、蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途
切れて、先生の、まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞えた....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
にゃ見覚えはねえかい」 女房はそわそわと落ち付かぬ容子をして、亭主と同じように
切りに思い出そうとしていたが、出し抜けに、囁くような声でこう云った。 「そう、そ....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
っていって、遂にはまったく見えなくなってしまう。急速力で走る汽車でヨーロッパを横
切り、その昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数限りな....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
お神さんの読んだ時と文句がちがうので大変に困りました。 「何しろ、拾った人に、親
切にしてくれろってことだべい。」 と太郎右衛門が言うと、お神さんも、 「そんだ、....