切って捨てる[語句情報] »
切って捨てる
「切って捨てる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切って捨てるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「メリイクリスマス」より 著者:太宰治
みたいに、ふうっと語尾を薄くして、それっきり黙ってしまって、しばらく歩いてから、
切って捨てるように、「あれは本の名だったのね。」 私はいよいよ自惚れた。たしか....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ね」 土曜の夜は女のみだれる晩だという、藪から棒の京吉の意見の底には、古綿を千
切って捨てるような、苛立たしいわびしさがあった。 「そうか。おたくもそう思うか」....
「わが町」より 著者:織田作之助
ぼって来た。 「――阿呆な奴らや。なにを大騒ぎさらしてけつかる」 他吉は綿を千
切って捨てるように、呟いたが、途端に、他吉のふところへ、追われた十姉妹が飛び込ん....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
にけし飛ぶだろう。……習った武道とは思われない。あしらいにくいよそれだけに。……
切って捨てるに訳はないが、しかし相手は片輪者、それに昆虫館土着の人間、非難が起こ....
「加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
は及ばぬ。最後の場合には剣がござる。切れ味のよい日本刀! たかが南米の蛮人ども、
切って捨てるに訳はござらぬ」 日本武士の真骨頂、大敵前後に現われたと見るや、紋....
「生きている空間」より 著者:中井正一
ント流の形式的空間にかえってゆくのだが、「媒介」が「無媒介の媒介」として、自分を
切って捨てることで、自分が発展すると考える時に、「不安」は「自分自身を否定の媒介....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
也の姿を見かけたならば、必ずや誰何するであろう。と、紋也は気が立っている。一刀に
切って捨てるかもしれない。ただちに血の雨が降らされる。屋敷中の人々が現われ出て紋....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
眼を光らせて、 「撲りに帰る」 「えっ、誰をや」 「蓄音機さ」 白崎は古綿を千
切って捨てるように言った。 「蓄音機に撲られるより、蓄音機を撲る方が気が利いてる....