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「切り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切りの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
色を、一面に寂しく並べている。障子の紙も貼ってから、一冬はもう越えたのであろう。切り貼りの点々とした白い上には、秋の日に照らされた破《や》れ芭蕉《ばしょう》の大....
疑惑」より 著者:芥川竜之介
地震《おおじしん》があってから、かれこれ一年あまり経った時分で、校長がこの問題を切り出した以前にも、内々同じような相談を持ちかけて私の口裏《くちうら》を引いて見....
或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
負けざまは、間もなく蔭口《かげぐち》の的になった。「甚太夫は戦場へ出て、槍の柄を切り折られたら何とする。可哀《かわい》や剣術は竹刀《しない》さえ、一人前には使え....
片恋」より 著者:芥川竜之介
をかけた。「ずいぶんしばらくだわねえ。私《わたし》がUにいる時分にお眼にかかった切りなんだから。あなたはちっともお変りにならない。」なんて云う。――お徳の奴め、....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
油断をしなかったお蓮は、ほぼその「御願い」もわかりそうな気がした。と同時にそれを切り出された場合、答うべき文句も多そうな気がした。しかし伏目《ふしめ》勝ちな牧野....
子供の病気」より 著者:芥川竜之介
た。のみならず多加志が泣きやんだと思うと、今度は二つ年上の比呂志《ひろし》も思い切り、大声に泣き出したりした。 神経にさわることはそればかりではなかった。午後....
」より 著者:芥川竜之介
始めた。 恥を知らない太陽の光は、再び薔薇に返って来た真昼の寂寞《せきばく》を切り開いて、この殺戮《さつりく》と掠奪とに勝ち誇っている蜘蛛の姿を照らした。灰色....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
ほとんど洋食屋とは思われなかった。風中は誂《あつら》えたビフテキが来ると、これは切り味《み》じゃないかと云ったりした。如丹はナイフの切れるのに、大いに敬意を表し....
彼の長所十八」より 著者:芥川竜之介
共卑しからざる事。 十、精進の志に乏しからざる事。大作をやる気になったり、読み切りそうもない本を買ったりする如き。 十一、妄に遊蕩せざる事。 十二、視力の....
久米正雄氏の事」より 著者:芥川竜之介
色彩とか空気とか云うものは、如何にも鮮明に如何にも清新に描けています。この点だけ切り離して云えば、現在の文壇で幾人も久米の右へ出るものはないでしょう。 勿論田....
初雪」より 著者:秋田滋
こう自分で自分に云いながら、彼女は雪に埋もれている芝生をつッ切って行った。息を切り切り、小刻みに歩いてゆくのだったが、素足を雪のなかへ踏み入れるたびに、息がと....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ファラデーはタタムの講義をきくにつれて、筆記を取り、後で立派に清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索引を附して四冊とし、主人のリボーに献ずる由を書き....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
るところに行けばよかった。こんなことをするのはたやすいもので、クリスマスのパイを切りすすんで、その中心にとどくようなものだ。そして、婦人がその武士のこころにした....
親ごころ」より 著者:秋田滋
にゃ見覚えはねえかい」 女房はそわそわと落ち付かぬ容子をして、亭主と同じように切りに思い出そうとしていたが、出し抜けに、囁くような声でこう云った。 「そう、そ....
狂人日記」より 著者:秋田滋
っていって、遂にはまったく見えなくなってしまう。急速力で走る汽車でヨーロッパを横切り、その昇降口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数限りな....