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切る
「切る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
うな声で、こう言うと、老婆は、杖をひきずりながら、二足三足あとへ帰って、まず口を
切る前に、上くちびるをべろりとなめて見せた。
「何か用でもおありか。」
「いや、....
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
ずら》いから腰ぬけになってしもうたのじゃ。じゃが、――」
浄観はちょいと言葉を
切ると、まともに伝吉の目の中を見つめた。
「じゃが己《おれ》は卑怯《ひきょう》な....
「彼」より 著者:芥川竜之介
も起って来はしないか?」
僕はちょっと逡巡《しゅんじゅん》した。するとKは打ち
切るように彼自身の問に返事をした。
「少くとも僕はそんな気がするね。」
僕はそ....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
始めた。そうしてその顔と共に、何本かの軍刀が、忙《いそが》しく彼等の周囲に、風を
切る音を起し始めた。
それから後《のち》の事は、どうも時間の観念が明瞭でない。....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
も首取りの半兵衛と云われた夫の倅でございます。臆病ものの薬を飲まされるよりは腹を
切ると云うでございましょう。このようなことを知っていれば、わざわざここまでは来《....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
でも仕かたはありません。達雄は場末《ばすえ》のカフェのテエブルに妙子の手紙の封を
切るのです。窓の外の空は雨になっている。達雄は放心したようにじっと手紙を見つめて....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いほど低い声だった。けれども俊助は、この始めて聞いた辰子の声の中に、優しい心を裏
切るものが潜んでいるような心もちがした。それが彼には心強い気を起させた。
「画と....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
同情を動かしたからで、また一つには、世故《せこ》がこう云う場合に、こっちから口を
切る習慣を、いつかつけてしまったからである。あるいは、また、そのほかに、始めの無....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
だけはもうわたしには、申し上げる力もありません。とにかくわたしはどうしても、死に
切る力がなかったのです。小刀《さすが》を喉《のど》に突き立てたり、山の裾の池へ身....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
しょう。「じゃ来給え。待っているから。」と、素直に答えてくれたので、新蔵は電話を
切るが早いか、心配そうな母親にもむずかしい顔を見せただけで、どこへ行くとも断らず....
「百合」より 著者:芥川竜之介
金三はわざと元気そうに云った。が、良平は震《ふる》えながら、相手の言葉を打ち
切るように云った。
「嘘つき! 喧嘩だ癖に!」
「手前こそ嘘つきじゃあ。」
金....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
16
「さん・せばすちあん」の上半身《かみはんしん》。彼は急に十字を
切る。それからほっとした表情を浮かべる。
17
尻っ尾の長い猿が二匹....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
さわれば命はないぞ。 王と王子と剣を打ち合せる。するとたちまち王の剣は、杖か何か
切るように、王子の剣を切ってしまう。 王 どうだ? 王子 剣は切られたのに違いな....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
った。良平は車に手をかけていても、心は外の事を考えていた。 その坂を向うへ下り
切ると、又同じような茶店があった。土工たちがその中へはいった後、良平はトロッコに....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を少し書きなおし、一部の順序を換えたり、不要の箇所を削ったりし、番号のついた節を
切る。 デ・ラ・リーブは「ファラデーは予め一定の考案を持つことなしに、器械の前....