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切れ
「切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
思わず塀の常春藤《きづた》を掴《つか》んで、倒れかかる体を支えながら、苦しそうに
切れ切れな声を洩らした。
「あの手紙は、――まさか、――房子だけは――」
一瞬....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
た。が、二足三足《ふたあしみあし》踏み出したと思うと、「御主《おんあるじ》」と、
切れ切れに叫んだなり、茫然とそこへ立ちすくんでしまった。この薄暗い内陣《ないじん....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ップという学生です。ラップは僕の家へ転げこむと、床《ゆか》の上へ倒れたなり、息も
切れ切れにこう言うのです。
「大変《たいへん》だ! とうとう僕は抱きつかれてしま....
「彼」より 著者:芥川竜之介
かった。彼の妹は妹と云っても、彼よりもずっと大人《おとな》じみていた。のみならず
切れの長い目尻《めじり》のほかはほとんど彼に似ていなかった。
「その子供は今年《....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《うなず》いた。すると甚太夫は途切《とぎ》れ途
切れに、彼が瀬沼兵衛をつけ狙《ねら》う敵打の仔細《しさい》を話し出した。彼の声は....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
。その代りおん教を捨てた上は、わたしも生きては居られません。………」
おぎんは
切れ切れにそう云ってから、後《あと》は啜《すす》り泣きに沈んでしまった。すると今....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
をしていた。
「きょうは行けない。あした行きますってそう云ってくれ。」
電話の
切れるのが合図《あいず》だったように、賢造は大きな洋傘《こうもり》を開くと、さっ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
やズボン下や靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……
「十二月×日 靴下の
切れることは非常なものである。実は常子に知られぬように靴下|代《だい》を工面《く....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
に答え、「風呂《ふろ》にお出《い》で」と声をかけたりした。
「ああ言う商売もやり
切れないな。」
僕は何か僕自身もながらみ取りになり兼ねない気がした。
「ええ、....
「運」より 著者:芥川竜之介
、娘の足にかじりつきました。そうして、半分泣き声で、早口に何かしゃべり立てます。
切れ切れに、語《ことば》が耳へはいる所では、万一娘に逃げられたら、自分がどんなひ....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
えたビフテキが来ると、これは切り味《み》じゃないかと云ったりした。如丹はナイフの
切れるのに、大いに敬意を表していた。保吉はまた電燈の明るいのがこう云う場所だけに....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
」 遠藤がそんなことを考えていると、突然高い二階の窓から、ひらひら落ちて来た紙
切れがあります。 「おや、紙
切れが落ちて来たが、――もしや御嬢さんの手紙じゃない....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
置いてある家具のいつ見ても変らぬ恰好、新らしかった頃から知っている肱掛椅子の擦り
切れたあと、自分の部屋の匂い(家というものには必ずその家独特の匂いがあるものだ)....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
いる。ファラデーは時々うなずいたり、言葉をかけたりする。時によると、ポタシウムの
切れを水に浮べてやったり、あるいはこれを焔に入れて紫の光を出して、見せてやったり....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
から低くぶつぶつ聞えてきたが、蜜蜂のぶんぶんいう音のようだった。ときどきそれが途
切れて、先生の、まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞えた....