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切味
「切味〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切味の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
の梅の蒔絵が薫る。……薫るのなんぞ何のその、酒の冷の気を浴びて、正宗を、壜の口の
切味や、錵も匂も金色に、梅を、朧に湛えつつ、ぐいと飲み、ぐいと煽った――立続けた....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
所の肴屋から、鰹はござってら、鮪の活の可いやつを目利して、一土手提げて来て、私が
切味をお目にかけたね。素敵な
切味、一分だめしだ。転がすと、一が出ようというやつを....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
奉納したのか薙刀が一振かかっている。勿論誰も手を触れず、いつ研いだ事もないのに、
切味の鋭さは、月の影に翔込む梟、小春日になく山鳩は構いない。いたずらものの野鼠は....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
空へ飛ぶぜ、と威勢の好い懸合だから、一番景気だと帳場でも買ったのさね。 そこで
切味の可いのが入用というので、ちょうどお前ん処へ頼んだのが間に合うだろうと、大急....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
洋人はもうただの一人もいないのだからなあ」 「なに大丈夫です。そのときは日本刀の
切味を、うんと見せてやりますよ」 川上機関大尉は、早くもリット少将の悪企を察し....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
いいことだ」 リーロフは、意味ありげに笑った。斧の刃は、するどくとがれていて、
切味がよさそうなのが、何だか不気味である。 「リーロフ、さあ、僕につづいて、すぐ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
擦り、子供たちは踏段の上で店を張って遊び、学校の生徒は繰形《くりがた》でナイフの
切味を験《ため》したりした。そしてもう三十年近くの間、誰ひとり出て来て、そういう....
「小刀の味」より 著者:高村光太郎
押え棒で、ほん山の合せ研を押えて、一心にこういう名工の打った小刀を研ぎ終り、その
切味の微妙さを檜の板で試みる時はまったくたのしい。....
「鍵屋の辻」より 著者:直木三十五
と又五郎も取上げたが、もう人の身体《からだ》かも判らない。斬込んだ刀の重み祐定の
切味で、左腕を斬落した。又五郎も形だけは受けてみるが手もなく倒れてしまった。 「....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
竜之助も身仕度をして、いつぞや大菩薩峠の上で生胴《いきどう》を試《ため》してその
切味《きれあじ》に覚えのある武蔵太郎安国の鍛《きた》えた業物《わざもの》を横たえ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ロニ刀ヲ鞘《さや》ニ納メテ、何事モ起ラザリシガ如ク平然トシテ歩ミ去ル……単ニ刀ノ
切味ヲ試サンガ為ニ、試シ斬リヲ行フコト珍シカラズ」 これもまた、たしかに日本....
「古き小画」より 著者:宮本百合子
」 「悪いことではありません。祖父様のおっしゃったのは」シャラフシャーは、刃物の
切味を拇指の腹で試し、正直な、心遣いの籠った眼で、小さく胡坐《あぐら》している自....
「十五年」より 著者:山本実彦
き上野に訪問した。そしていろいろの人に紹介してももらった。ブッキラボウのようで深
切味のある人であった。 有島武郎氏とは、郷里が同じいので、ときどき原稿もかいて....
「近世快人伝」より 著者:夢野久作
であった。あの時ぐらい首を斬った事はなかったが、ワシの刀は一度も研がないまま始終
切味が変らんじゃった。 生蕃という奴は学者の話によると、日本人の先祖という事じ....