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切地
「切地〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切地の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「露肆」より 著者:泉鏡花
ているのがある。 時節もので、めりやすの襯衣、めちゃめちゃの大安売、ふらんねる
切地の見切物、浜から輸出品の羽二重の手巾、棄直段というのもあり、外套、まんと、古....
「城のある町にて」より 著者:梶井基次郎
が見える。 乳母車なんとかと白くペンキで書いた屋根が見える。 日をうけて赤い
切地を張った張物板が、小さく屋根瓦の間に見える。―― 夜になると火の点《つ》い....
「ある女の生涯」より 著者:島崎藤村
生園へ行かれようと考えた。丁度、国から持って来た着物の中には、胴だけ剥いで、別の
切地をあてがった下着があった。丹精して造ったもので、縞柄もおとなしく気に入ってい....
「刺繍」より 著者:島崎藤村
情が起って来た。おせんがこの部屋で菫の刺繍なぞを造ろうとしては、花の型のある紙を
切地《きれぢ》に宛行《あてが》ったり、その上から白粉《おしろい》を塗ったりして置....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
してあった。手回しのいいこの和尚はすでに旅の守り袋を用意したと言って、青地の錦の
切地で造ったものをそこへ取り出して見せた。梵文の経の一節を刻んであるインド渡来の....
「小知恵にとらわれた現代の法律学」より 著者:末弘厳太郎
をこしらえておいてこれを裁判官に渡す、裁判官はあたかも呉服屋の番頭さんが物差しで
切地をはかるように、与えられた物差しで事件を裁きます。そうすれば最も公平に厳正に....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ra(お由羅のこと)云々、又井上(出雲守のこと)云々、是又致承知候。此度、三人の
切地《きれじ》、さや形ちりめん六尺遣申候。一、二、三。印付け可遣候、折角内密之取....
「道草」より 著者:夏目漱石
三は漸《やっ》と気が付いたように、細君の膝《ひざ》の上に置かれた大きな模様のある
切地《きれじ》を眺めた。 「それは姉から祝ってくれたんだろう」 「そうです」 「....
「黄昏」より 著者:宮本百合子
は我知らず早足になり、大通りの、景気よく飾った呉服屋に入った。そして、望んでいた
切地《きれじ》を買い、同時に、年齢に拘わらず女の心を牽きつける流行《はやり》の衣....
「日本の伝説」より 著者:柳田国男
いたずらをして旅人を困らせたという話もあります。相州大磯には化け地蔵、一名|袈裟
切地蔵というのがもとはありました。伊豆の仁田の手無仏というのも石地蔵であって、毎....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
ント造りの。科学知識のこの世の地獄じゃ。中に重なるキチガイ地獄の。上に在るのが親
切地獄で。次が軽蔑、冷笑地獄じゃ。下は虐待、暗殺地獄の。底は何やらわからぬ地獄じ....