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切売り
「切売り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切売りの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
種吉は若い頃お辰の国元の大和《やまと》から車一台分の西瓜を買って、上塩町の夜店で
切売りしたことがある。その頃、蝶子はまだ二つで、お辰が背負うて、つまり親娘《おや....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
しは買わないよ、いらないっていったら!」 行手にはもう別の人だかりがあり、鮭の
切売りを見物しているのであった。 「ナースチャ!」 肉売り店の前に立って少し口....
「名人上手に聴く」より 著者:野呂栄太郎
氏やいわゆるマルクス批評家諸公のように物識りになって、マルクス、レーニンの学説を
切売りしたり、そのまがい物を密造したりすることではない。われわれにとって必要なこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
に拾ってもらったところ。そのお蝶こそ恩人である。大事な節操を、二十文三十文の金で
切売りをして恥じない夜鷹の身でありながら、人の落した大金は大切に保存して、苦心を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちばん卑《いや》しい夜鷹、二十文か三十文の金で、女のいちばん大切な操《みさお》を
切売りする女、この女は十両の金が欲しくはないのだろうか、取っても隠しても罪にはな....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の風致の荘厳《そうごん》を重んずるが、それが堕落すればするほど、境内を荒したり
切売りしたりする。 国として霊山を伐《き》ることをゆるしたり、神社や仏閣で、そ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ごれたエプロン、仏蘭西語の本屋の窓に出ている裸体写真、東洋煙草店、大道でメロンの
切売り、果物屋の蠅、自動車庫の油の小川、塵埃だらけの土産物店の硝子箱、その中の銅....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
れは、不思議に女性の肉だけを食べる人喰い人種のことで、妻だの娘だの情婦だのの肉を
切売りして衣食している。もっとも、こんな身辺の女肉だけじゃあ需要に応じ切れないか....
「光は影を」より 著者:岸田国士
いことだけをたしかめておいて、早速、リュック・サックにつめたろくでもない品物を一
切売り払つた。収容所を出る時、時計も万年筆も捲きあげられ、いよいよ乗船の間ぎわに....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
何のよすがもないとなると、大門を入つて両側に美しくならぶ雪洞にも、たゞもう人肉の
切売りといふ、現実の血腥いやうな感じをそゝられるだけである。 汽車の煤煙で化粧....