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切妻
「切妻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切妻の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
、或いはその信仰の継続でありましょう。しかし、僕たちが見たその古墳のように、その
切妻形の屋根といい、浅く彫上げてある柱といい、いかにもその家屋の真似が精妙になっ....
「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」より 著者:佐々木直次郎
入口があって、街並はくぎられていた。そしてちょうどそこに、気味の悪い一枚の建物が
切妻《きりづま》を街路に突き出していた。その建物は二階建で、一階に戸口が一つある....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
近寄ってゆくにしたがって、その宮殿は破家《やぶれや》となってくる。破損してるその
切妻は見るにたえない。なんともいえぬ賤《いや》しいみすぼらしい風《ふう》が、その....
「弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
っている庭木の奥に、いかめしい書院造りの館が立っていた。桁行二十間、梁間十五間、
切妻造り、柿葺の、格に嵌まった堂々たる館で、まさしく貴族の住居であるべく、誰の眼....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
はなかなか暢気なところがありました。 雷門は有名ほど立派なものではなく、平屋の
切妻作りで、片方が六本、片方が六本の柱があり、中心の柱が屋根を支え、前には金剛矢....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
行く。 顎十郎は、ひょろ松のうしろについて、ノソノソと玄関の踏石へおりながら、
切妻板《きりづまいた》のむこうの壁の凹所《へこみ》のほうを眺めていたが、なにを見....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
と、横手においてあった梯子を起し、身軽にスラスラと昇ってゆく。さすが馴れたもので
切妻《きりづま》の破風の下に人がひとり入れるだけの隙間をこしらえ、ふたりを手招き....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
、さらにその上に追懐から来る淡い哀愁が加わっているように思われる。壁を多く使った
切妻風の建て方も、同じ情趣を呼び起こす。この辺の
切妻は、平の勾配が微妙で、よほど....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
の木が一本あるだけだと思う。 火は母屋の上へ燃えぬけてきた。そしてその大屋根の
切妻の辺には、橘紋の古い旗がひらめいていた。 累代の楠木家の当主が、遠い地方ま....
「母の手毬歌」より 著者:柳田国男
うてあるのだから、美観を主としたもののように思われる。屋根の形も四方葺きでなく、
切妻と称して前後は壁になったものが多い。こういう形の家がかず多くあつまって、建っ....