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切抜
「切抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
う。もっともわたしの写したのは実物の遺書ではありません。しかしわたしの宿の主人が
切抜帖《きりぬきちょう》に貼《は》っておいた当時の新聞に載っていたものですから、....
「父」より 著者:芥川竜之介
》の下へはさんでいる。服装と云い、態度と云い、すべてが、パンチの挿絵《さしえ》を
切抜いて、そのままそれを、この停車場の人ごみの中へ、立たせたとしか思われない。―....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
は気のせいか、額へ羽搏った蝶の形が、冷やかに澄んだ夕暮の空気を、烏ほどの大きさに
切抜いたかと思いましたが、ぎょっとして思わず足を止めると、そのまますっと小さくな....
「活人形」より 著者:泉鏡花
され、得三たちまち血相変り、高田の帯際むずと掴みて、じりじりと引戻し、人形の後の
切抜戸を、内よりはたと鎖しける。 何をかなしけむ。壁厚ければ、内の物音外へは漏....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
間へ、急いで来た跫音で、襖の外から、書生の声、 「お嬢さんですか、今日の新聞に、
切抜きをなすったのは。」 紫 五十二 お茶漬さらさら、....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
なく……しばらくして、 「じゃ、そういう方がおあんなさるんですね、」と僅に一方へ
切抜けようとした。 「御存じの癖に。」 と、伏兵大いに起る。 「ええ、」 「御....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
れていながら、何だねえ、騒々しい。 薄 騒がずにはいられません。多勢に一人、あら
切抜けた、図書様がお天守に遁込みました。追掛けますよ。槍まで持出した。(欄干をす....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
を売っている。其の多くはロンドン・ニュースやグラフフヰ※ック、パックやウォッヘの
切抜で下らぬものばかりである。こんなものさえ大切にスクラップ・ブックへ貼付けて珍....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
に関する内外の著書は得るに随って精読し、内外新聞の外交に関する事項は細さに究めて
切抜きを保存し、殊に『外交時報』は隅から隅までを反覆細読していた。(二葉亭は『倫....
「火星探険」より 著者:海野十三
難な大事業を見事にやりとげたのであった。生命の危険にさらされること幾度か。それを
切抜けることができたのは全くふしぎでならぬ。いや、これこそ全員が、互に助けあい、....
「空中墳墓」より 著者:海野十三
ることはたしかです」 私のききたいことは終った。相良は松風号の行方不明に関する
切抜記事帳を、参考にまでと言って私に差出したが、私は書棚の奥から、それの三倍もあ....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
た。兄の癖です。兄は理学士なのですが、学校の先生にも成らず、毎日洋書を読んだり、
切抜きをしたり、さもないときは、籐椅子に凭れ頭の後に腕を組んでは、ぼんやり考えご....
「三角形の恐怖」より 著者:海野十三
ころへ、ツカツカと出て来るや否や、いきなり飛び上るように身を退いて、例の三角形の
切抜きのある地上を見つめたではありませんか。私は一寸|残忍性を帯びた微笑をせずに....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
を満足させるほどの物を持っていないのだ。お気の毒さまだがねえ」 「新聞を片端から
切抜いて送ったらどう」 「ケノフスキーを怒らせるばかりだ」 「だって、あなたのよ....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
写真が詰まっていたのだ。それは主にサロンの安っぽい印刷になる絵葉書や、新聞雑誌の
切抜らしいものばかりであったが、更にその奥の方からは、独逸文字の学術的な女の裸体....