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「切株〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切株の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
いもの、民さん、心配することはないよ」 月あかりが斜にさしこんでいる道端の松の切株に二人は腰をかけた。目の先七八間の所は木の蔭で薄暗いがそれから向うは畑一ぱい....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
あてに、伝兵衛は池のほとりまで辿って来て、そこにある捨て石に腰をおろした。澹山も切株に腰をかけた。 「御苦労でござりました。夜が更けてさぞお寒うござりましたろう....
五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
たのに」といいながら、それでも「ここで食べましょう」と各自場所を見つけた。大木の切株が二つある。一つは独が占領した。日本も他の一つをとった。英はまた他の場所によ....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
から十分ほど経った後のことだった。 「もう大丈夫よ。その綱の端を、貴郎の前にある切株に結んで頂戴な」 ミチミは、しっかりした調子で、それを命じた。 杜はミチ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
手頃の腰掛けがございます。』 私達は三|尺ほど隔てて、右と左に並んでいる、木の切株に腰をおろしました。そこは監督の神様達もお気をきかせて、あちらを向いて、素知....
化鳥」より 著者:泉鏡花
時の処に棒杭にちゃんと結えてあッた。蛇籠の上の、石垣の中ほどで、上の堤防には柳の切株がある処。 またはじまった、この通りに猿をつかまえてここへ縛っとくのは誰だ....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
わたくしは何心なくその土間に片足踏み込んで、家の中をのぞいて見ますと、じいやは切株のようなものに腰をかけて、小さい鉈で枯枝を余念もなくおろしていました。それか....
赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
た。まっくらな闇の夜も踊っていなければなりませんでした。くつはカレンを、いばらも切株の上も、かまわず引っぱりまわしましたので、カレンはからだや手足をひっかかれて....
木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
。いいか。」 父が見返ってたずねると、太吉はわずかにうなずいた。重兵衛はそばの切株の上に皮包みをひろげて、錆びた鉄の棒のような海苔巻のすしを、またたく間に五、....
馬妖記」より 著者:岡本綺堂
ったが、茂左衛門は年の若いだけに我慢しなければならなかった。土間にころがしてある切株に腰をかけて、彼は黙って表の闇を睨んでいると、おもよは湯を汲んで来てくれた。....
人狼」より 著者:岡本綺堂
出入りの古びたる障子。下のかたは折りまわして古びたる壁、低き竹窓。前は竹縁にて、切株の踏み段あり。下のかたの好きところに炉を切りて土瓶をかけ、傍らに粗朶籠などあ....
蟹満寺縁起」より 著者:岡本綺堂
て、消えかかりたる藁の火とろとろと燃ゆ。土間には坐るべき荒むしろと、腰をかくべき切株などあり。ほかに鋤鍬の農具あり。打ちかけたる藁屑など散乱す。下のかたには丸太....
雪柳」より 著者:泉鏡花
くる日二時頃まで煙を揚げたのを、筆者は十四五の時、目のあたり知っている。草の中に切株ばかり朽ちて残った。が、年々春も酣になると、おなじ姿の陽炎が立つといいます。....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ころへ来た。沢を隔てて遥かの木立に、カラカラと石の崩れ落ちる音がする。宗忠は木の切株に上って見つめている。羚羊か猿だろうという。カラカラという音は四辺の寂寥を破....
」より 著者:岡本綺堂
き山を負いて、その裾の低地に藁葺きの炭焼小屋。家内は土間にて、まん中に炉を切り、切株又は石などの腰かけ三脚ほどあり。正面は粗末なる板戸の出入口。下のかたには土竈....