切歯扼腕[語句情報] » 切歯扼腕

「切歯扼腕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切歯扼腕の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
できぬ、と考えた。といってそこは、万嶽雲にけむる千三百キロのかなたである。彼は、切歯扼腕《せっしやくわん》、歯噛《はが》みをして口惜しがったのだ。 するとそこ....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
だった。 「浅川は、司令部の御命令で、昨夜は、立川飛行聯隊の宿舎に閉じこめられ、切歯扼腕していました。この上は、早く敵機に、めぐり逢いたいであります」 小さい....
蠅男」より 著者:海野十三
て帆村を嘲笑するかのように悠々とスピードをあげて走っていく。 帆村は文字どおり切歯扼腕した。もうこうなっては、残念ながら人間の足では競争が出来ない。 何か自....
女肉を料理する男」より 著者:牧逸馬
んとか気のきいた応急策の施《ほどこ》しようがあったはずだと、刑事連をはじめ公衆は切歯扼腕《せっしやくわん》して口惜しがったが、やがでその忿懣《ふんまん》は非難に....
戦雲を駆る女怪」より 著者:牧逸馬
飛ぶ。 このアフガニスタンでのヘンダスンの劇的活躍こそは、ドイツ特務機関をして切歯扼腕《せっしやくわん》させたもので、この事件があってから、ヘンダスンの身辺は....
爆弾太平記」より 著者:夢野久作
の間にしか感じられませんでした。当局連中もスッカリ感激してしまって、今更のように切歯扼腕しているような次第で……私共も一度はドンで年貢を納めさせられた前科者ばか....
握った手」より 著者:坂口安吾
その瞬間まで思いもつかなかった言葉だ。オレの人生が割りきれたら、と今までどんなに切歯扼腕したか知れやしない。一瞬間に、突然別世界へ走りこんでいたのだ。その晩、彼....
魔像」より 著者:林不忘
っ引《ぴ》きにいきわたり、別動隊として、近江之介を殺された上自分は閉門をうけて、切歯扼腕《せっしやくわん》に耐えない脇坂山城守の手から、種々雑多の小者に変装した....
ローマ法王と外交」より 著者:国枝史郎
驢馬にまたがり、一度口をひらくや熱弁奔流の如くにほとばしり聞く者をして涙を流させ切歯扼腕させた。上は王侯から下は一般市民をまで感激させたのである。 この噂を耳....
塵埃は語る」より 著者:小酒井不木
動がにくらしくてなりませんでした。といって私はどうにも仕様がありません。むなしく切歯扼腕するより他はありませんでした。 程なく、自動車の音が聞こえたので、もし....
三国志」より 著者:吉川英治
えられた。さなきだに曹操が魏王を称して、天子にひとしい車服儀仗を用いるを眺めて、切歯扼腕していた一派の輩は、 「捨ておくべきでない」と、同志のあいだに、密々、連....
三国志」より 著者:吉川英治
ったことは、さきに汝がいった通りにちがいない。――しかし当時の人、みなひそかに、切歯扼腕、ときの朝臣と為政者の腐敗堕落を怒らざるはなかった。――我もとよりよく汝....
私本太平記」より 著者:吉川英治
く勝っていた戦をよ。三井寺はもう奪り返せまい!」 後手を取った。 と、直義が切歯扼腕したのもむりでない。 たしかにわずかな時間差だった。洛中の足利方は、み....
山の人生」より 著者:柳田国男
ある。三河の長篠のおとら狐に至っては、近世その暴虐ことに甚だしく住民はことごとく切歯扼腕しているのだが、人に憑くときは必ず鳶巣城の故事を談じ、なお進んでは山本勘....