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「切火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切火の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妖婆」より 著者:芥川竜之介
》が生えてやがるじゃねえか。」とかで、往来でお島婆さんに遇ったと云っても、すぐに切火《きりび》を打ったり、浪《なみ》の花を撒《ま》いたりするくらいでした。が、そ....
縮図」より 著者:徳田秋声
台所を働いている大躯の子に、お座敷の仕度をしてもらっているところだったが、それが切火に送られて出て行く段になって、子供たちはやっとお母さんが帰って来たことに気が....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ああしてやろう、こうしてやろうなんて、出がけに算当《さんとう》を組んで笑いながら切火をきってくれたもんです。それがこんなことになったと言って、どうして私はおかみ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
苦悩に私は胸をひきしめられていた。この裏家《うち》から高褄《たかづま》をとって、切火《きりび》をかけられて出てゆく芸妓姿はうけとれなかったが、毎日|細二子《ほそ....
多神教」より 著者:泉鏡花
ませぬ。刻苦勉励、学問をも仕り、新しき神道を相学び、精進潔斎、朝夕の供物に、魂の切火打って、御前にかしずき奉る…… 媛神 私は些とも頼みはしません。こころざしは....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
質を承いで、更に古語によらなければ表されない程の気魄を持って居る。赤彦の創めた『切火』の歌風は、創作家の新感覚派に八九年先んじて出て、おなじ手法で進もうとする技....
小説 円朝」より 著者:正岡容
た圓朝門下だった。 逸早く母のおすみは縁喜棚へ、お燈明を上げた。カチカチ萬朝が切火を掛けた。でもいくらやってもその切火、まるで火がでないとおもったらなんの萬朝....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
「お待ちなすッて」 と、門を踏み出す四名の背なかへ、乾児のひとりが、カチカチと切火を磨った。 外は、雨雲の空もよう。 ほととぎすのよく鳴くこの頃の闇であっ....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
を、平和地区と規定する条約が交換されたのである。社殿、多宝塔、附近の民家には、一切火を放たないこと、軍勢を入れないことなどの申し合せであった。 両軍というのは....