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切片
「切片〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切片の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「源おじ」より 著者:国木田独歩
たり、来たれ来たれ来たれともに捜せよ、見よ幸助は芥溜《ごみため》のなかより大根の
切片《きれ》掘りだすぞと大声あげて泣けば、後《うし》ろより我子よというは母なり。....
「機械」より 著者:横光利一
だ、それよりお前の顔を磨いてやろうといって横たわっている私の顔をアルミニュームの
切片で埋め出し、その上から私の頭を洗うように揺り続けるのだが、街に並んだ家々の戸....
「鮨」より 著者:岡本かの子
して押しつけ、子供の皿に置いた。 子供は今度は握った飯の上に乗った白く長方形の
切片を気味悪く覗いた。すると母親は怖くない程度の威丈高になって 「何でもありませ....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
爪を書物のページの上に押しつけ、ちょうど蚤をつぶすような工合にこの微細な朱唐紙の
切片を紙面に貼り付ける。この小紙片がすなわち不審紙である。不審の箇所をマークする....
「浮世絵の曲線」より 著者:寺田寅彦
絵というものを一ぺんばらばらにほごしてしまうと、そこに残るものは黒白のさまざまな
切片といろいろの形状をした曲線の集団である。こうしてほごした材料を一つ一つ取り出....
「カメラをさげて」より 著者:寺田寅彦
のは残念である。 新東京の街路や河岸に立って、ありとあらゆる異種の要素の細かい
切片の入り乱れた光景を見るときに、私は自然に日本帝国の地質図を思い出す。いろいろ....
「映画雑感(Ⅰ)」より 著者:寺田寅彦
にあるのが通例であるが、これらの映画の切り換えのリズムは一つ一つの相次ぐフィルム
切片の駒数を数えて、その数字を適当に図示し曲線でも作ってみれば、それによってこの....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
エンド・キーリス』十輯一巻二五四頁)。英のリンコルンシャーで伝うるは、蛇切れたら
切片が種々動き廻り切り口と切り口と逢わば継ぎ合うて蘇る。それ故蛇を殺すにはなるべ....
「小さな出来事」より 著者:寺田寅彦
しれない。 こんな空想に耽りながら見ていると、簑の上に隙間なく並んでいる葉柄の
切片が、なんだかこの隠れた小哲学者の書棚に背皮を並べた書物ででもあるような気がし....
「女の膝」より 著者:小山内薫
はないかと多少解決がついたので、格別にそれを気にも留めず、翌晩は寝る時に、本は一
切片附けて枕許には何も置かずに床に入った、ところが、やがて昨晩と、殆んど同じくら....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
鳥の肉を柔く煮ますのは普通の鶏肉屋《とりや》でお買いなすった硬《こわ》い肉なら大
切片《おおぎれ》のままザット三時間も湯煮《ゆで》るのです。本式にすれば清い布巾《....