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切穴
「切穴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切穴の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
た。
自分達が立った側《かわ》は、かえってこっちの山の裾が水に迫って、ちょうど
切穴の形になって、そこへこの石を嵌《は》めたような誂《あつらえ》。川上も下流も見....
「一九三二年の春」より 著者:宮本百合子
を潰したりしてあるのが多い。高いところに原政子様と書いてある。食物を出し入れする
切穴のわきに「党」と深く刻まれ昭和三年八月十日と書いてある。「万歳」と薄くよめた....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
なるが、もの陰より甍を渡り梢を伝うがごとくにして、舞台の片隅を伝い行き、花道なる
切穴の口に踞まる。 鐘の音。 図書、その
切穴より立顕る。 夫人すっと座を立ち、正....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
どい好人物的猫で、猫を好かないものの家にいついてしまいました。仕方がないから戸に
切穴をつくった。仕事をしていると別の椅子の上で丸まって他愛なく眠っている。夜中に....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
は、お岩の半面仮髪に惹かれるのであった。 そして、それを手に持ったとき、天上の
切穴から、一筋の血糊が、すうっと糸を引いて落ちた――ああ儀右衛門もか。 しかし....
「金狼」より 著者:久生十蘭
い……人間がとけてなくなる。そんなことがあり得る筈はない。いずれどこかにチャンと
切穴が明いてるんです。……そこで、ひとつ実地に魔術の舞台を験めて見る必要がある。....
「廃墟(一幕)」より 著者:三好十郎
そりゃ、明日にでもしたら――そうさな、ちょっと待ってくれ。(救われたように床の
切穴の所に行き、ふちに手をかけて、足をおろす) せい いいんですか? 柴田 なあ....