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切紙
「切紙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切紙の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
左手に移し、右手の太い指を延ばして帳簿の天頂《てっぺん》から長くはみ出している仕
切紙をたよりにして帳簿のまん中ほどをぽんと開いた。その頁には、昨日の日附と夕刻の....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
形が変わると下段に構えた。誘いの隙を左肩へ見せる。 「ははあこの隙は誘いだな」
切紙の白井とは少し違う。見破ったから動かない。はたして隙は消えてしまった。と、今....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いい形と、いい呼吸を見て取って自得する。 それで、この男は、別段に師匠の手から
切紙、目録、免許といったような印《しるし》を与えられてはいない。そうかといって、....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
字形の割れた背中は、お尻のすぐ上まで法王祈祷台の素材のカララ大理石だった。そこに
切紙細工の黒|蝙蝠が一匹うれしそうに貼りついていた。蝙蝠はどこへでも彼女の行くと....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
、翌々年すなわち長享三年の三月、宗祇はさらに『古今集序』聞書ならびに三ヶ事のうち
切紙一、題歌事
切紙一、以上を、実隆の邸に持参して、口伝いろいろ仔細があったと、実....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
とは分らなくて、おとなしくお辞儀だけしてニコニコしているのですって。ひどく面白い
切紙細工をのこして死にました。見舞にゆくと、あとやり切れなくて熱海へ行って、一晩....
「喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
。ピンヘッドとかサンライズとか、その後にはまたサンライトというような香料入りの両
切紙巻が流行し出して今のバットやチェリーの先駆者となった。そのうちのどれだっかた....
「中支生活者」より 著者:豊島与志雄
モーニング姿の新郎と白紗を頭からまとった新婦とが相並んでるのへ、四方からテープや
切紙を投げかける賑かな室の中で、闖入者たる芝原氏へにこやかな目礼をなす人が多数で....
「画舫」より 著者:豊島与志雄
、あたりに散らばり、また誰かが結婚式の残りのものを持って来たと見えまして、五色の
切紙やテープが散乱していました。夜の時間がたつにつれて、料理の皿は冷えてきました....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
スターの精神異常、こういつた種類のこわい鬼どもの昼寝のすきをねらつてささやかなる
切紙細工をして遊んでいる子供にも似たはかない存在である。 しかるに不幸にしてい....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
つめ、ゆるゆると舗石の上に崩れ落ちると、それっきり動かなくなってしまう……五色の
切紙が背の上におびただしく降り積み、テープの切れっぱしが、ヒラヒラといくつも首の....
「智恵子の半生」より 著者:高村光太郎
が割に平静を保持し、精神は分裂しながらも手は曾て油絵具で成し遂げ得なかったものを
切紙によって楽しく成就したかの観がある。百を以て数える枚数の彼女の作った
切紙絵は....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
したので、これが有名な『古今集両度聞書』である。そのほかに特別難解な点は一々別に
切紙で伝授した。これはいわゆる別紙口伝で、これを受ける者は天地神明に誓い、濫りに....
「手仕事の日本」より 著者:柳宗悦
甚だ味の富んだ郷土玩具の一つであります。三州の有名な花祭に用いる「ざぜち」と呼ぶ
切紙も見事な出来栄を見せます。半紙に鳥居だとか馬だとか鹿だとかを巧みに活々と切り....