切組[語句情報] »
切組
「切組〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切組の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
て堪まらなかった。かれは明くる日の午過ぎに、裏手の材木置場に出てゆくと、そこには
切組みをしている五、六人の大工が食やすみの煙草を吸っていた。おなじ店の若い者や、....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
《くろそうぞく》を着けた泥棒も、それぎり来ないので、私の生長する時分には、どれが
切組《きりくみ》にしてある柱かまるで分らなくなっていた。 泥棒が出て行く時、「....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の木片を交互に組んだ車輪模様の切嵌。そこを挾んで、両辺の床から壁にかけ胡桃と樫の
切組みになっていて、その所々に象眼を鏤められ、渋い中世風の色沢が放たれていた。そ....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
村芝居
裏の八幡で村芝居がある。
一昨日は、一字の男総出で、隣村の北沢から
切組舞台を荷車で挽いて来た。昨日は終日舞台かけで、村で唯一人の大工は先月来仕かけ....
「木魂」より 著者:夢野久作
疲れに疲れた彼の頭の中で、暈かしになったり、大うつしになったり、又は二重、絞り、
切組、逆戻り、トリック、モンタージュの千変万化をつくして、或は構成派のような、未....
「春昼」より 著者:泉鏡花
砕けて鯉鮒にもなりそうに、何時頃のか五、六本、丸太が浸っているのを見ると、ああ、
切組めば船になる。繋合わせば筏になる。しかるに、綱も棹もない、恋の淵はこれで渡ら....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
。その右斜な二階の廊下に、欄干に白い手を掛けて立っていた、媚かしい女があります。
切組の板で半身です、が、少し伸上るようにしたから、帯腰がすらりと見える。……水浅....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
女中ですの、入かわり相談をしてくれます。聞くだけでも楽みで、つんだり、崩したり、
切組みましたり、庭背戸まで見積って、子供の積木細工で居るうちに、日が経ちます。…....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
暗|白堊、五階建の、ちょうど、昇って三階目、空に聳えた滑かに巨大なる巌を、みしと
切組んだようで、芬と湿りを帯びた階段を、その上へなお攀上ろうとする廊下であった。....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
は墓の羽織を、もう一撫で。 「この石塔を斎き込むもくろみだ。その堂がもう出来て、
切組みも済ましたで、持込んで寸法をきっちり合わす段が、はい、ここはこの通り足場が....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
めて総てが大人振って見えるようになるのだ。 元服と同時に撃剣の師匠橋本先生から
切組格という段式を貰った。かように大人中間に入ったので明教館の漢学はいよいよ励ま....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
の目的は活動もなくカフェもない、舞台装置のひながたと、絵でいった芝居見たままの、
切組み燈籠《どうろう》が人を寄せた。 横山町や、薬研堀《やげんぼり》あたりの大....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
瓢箪でもつけていそうな、暖簾も、景気燈も、お花見気分、紅い靄が場内一面。舞台は、
切組、描割で引包んだ祇園の景色。で、この間、枝ぶりを見て返ったばかりの名木の車輪....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
棟梁ののっそり十兵衛、皆の仕事を監督りかたがた、墨壺墨さし矩尺もって胸三寸にある
切組を実物にする指図|命令。こう截れああ穿れ、ここをどうしてどうやってそこにこれ....