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「切金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

切金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
さんばかりじゃねえや、私《わっち》が第一《でえいち》お店《たな》に申訳がねえ、手切金までとって立派に別れておきながら……何《なん》てえこったアな、オイ伊之さん何....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ると言うより、その方が言い易《やす》かった。それに、間もなく顔を見せた使の者は手切金を用意しているらしく、貰えばそれきりで縁が切れそうだった。 三日経つと柳吉....
現代日本の開化」より 著者:夏目漱石
てとうとう男の所在《ありか》を捜し当てて怒鳴《どな》り込《こ》みましたので男は手切金を出して手を切る談判を始めると、女はその金を床《ゆか》の上に叩《たた》きつけ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ので、十右衛門もさすがに恐縮して、結局、その河獺の頸にかけていた四十何両の金を手切金としてお元に渡すことになった。 お元と政吉は夫婦づれで半七の家へ礼に来た。....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
が立腹いたして、身分が身分でございますから、後で紛紜の起らないように、出入留の手切金を夫婦で持ってまいったもんですから、此の事が世間へ知れては外聞にもなり、殊に....
霧陰伊香保湯煙」より 著者:三遊亭円朝
っては天下御禁制の賭博を致してぶら/\暮して居ります。茂之助は三八郎の計いで、手切金を出しお瀧を離縁しましたが、面当に近所へ世帯を持ったので口惜くって、寝ても覚....
古井戸」より 著者:豊島与志雄
ですが、何しろ硝子の容物《いれもの》でしょう、じきに死んでしまうので、それきり一切金魚は止めましたが、ここに池を掘ってやりゃあ、そんなこともありますまい。なに訳....
投手殺人事件」より 著者:坂口安吾
から、きいたと思う? 岩矢天狗氏よ。あす二十日でしょう。彼氏、京都へ、暁葉子の手切金、うけとりに来る筈よ。三百万、払える?」 「えゝ、ま、なんとかなります」 「....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ことにはならないでしょう。いッそ芸者になる方が身のためですッてね。身売りの金を手切金に、親子の縁を切るから、母も姉もないものと思って、こんな悲しい家のことは二度....
」より 著者:岡本綺堂
て、その事実をありのままに世間へ発表することも出来ない。しょせんはお元に相当の手切金をあたえて、人知れずにこの家を立ちのかせ、表向きは家出と披露するのが一番無事....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は小間使のお冬に手をつけて、徳松という男の子を生ませたのであった。なにがしかの手切金を持たせて、母子もろともお冬の実家奥州仙台は石の巻へ帰したのだったが、それか....
死者の権利」より 著者:浜尾四郎
た。 それは十一月の半ごろでした。 私はいよいよ来たな、と思いました。勿論手切金の問題です。それと子供の養育費です。ただどの位小夜子が申し出して来るかという....
つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
めて、それとなく最後の破綻《はたん》の来る時を待っていたが、進の方からはまさか手切金の請求を恐れたわけでもあるまいが、そのままに何事も言出さず、表向きはどこまで....
俗臭」より 著者:織田作之助
、ソウキンタノムと大阪の児子家へ電報打った。実は、万一のことを慮って、船司には手切金を持参させていなかったのだ。金が電送され、千恵造に渡そうとすると、受とらなか....
あの顔」より 著者:大倉燁子
ませんが、私としてはその妾と別れてくれるということが嬉しかったんです。妾の方は手切金をたんまり貰えば、という位のところだったんでしょうが、夫の方はとても未練があ....