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切願
「切願〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
切願の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
車場までの線路の通行を許してくれと乞うた。駅員らは何か話合うていたらしく、自分の
切願に一顧をくれるものも無く、挨拶もせぬ。 いかがでしょうか、物の十分間もかか....
「碧蹄館の戦」より 著者:菊池寛
り将に平壌を襲わんとして居るとの流言を聞くや、如松はこれをよい口実として、成竜の
切願をも斥けて聞城から平壌へと退いて再び南下しようとはしなかった。 碧蹄戦後に....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
童男被髪して前に立つを見、ある日その髪を剪《き》り取ると、彼随い来って復さん事を
切願すれど与えず、髪を小豆納《あずきいれ》の壺中に蔵《かく》す。爾来彼童僕となっ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
わく、ある若者奇術を好み、鳥語を解したが、一層進んで夜中の秘密を明らめんと方士に
切願した。方士その思い止まるが宜《よろ》しかろうと諫《いさ》めたれど聞き入れぬか....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
いた時、その女王三百人の娘子軍《じょうしぐん》を率い急ぎ来って王の胤を孕みたいと
切願し、聞き届けられて寵愛十三昼夜にわたった。鳥も通わぬ八丈が島へ本土の人が渡る....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
てる小間物屋の店先を通った。 自分を名高い女にするために勉強してくれと彼女から
切願されたので、彼はうっかりしてるのがやましかった。そういう要求の無邪気な虚栄心....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
た。彼はあの因果な一日のことを、オリヴィエが外出を嫌《いや》がったことや帰ろうと
切願したことなど、すべてのことを詳細に思い出した。そして絶望の念をもってみずから....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
大海と波と海草と岩礁とに向かって。しかしそれらは耳を貸さない。彼は暴風に向かって
切願する。しかし自若たる暴風はただ無限のものの命に従うのみである。
彼の周囲に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た。ナポレオンは逃走兵のうちを駆け回って、彼らに説き、促がし、威嚇《いかく》し、
切願した。その朝皇帝万歳を叫んだすべての口は、今はただ茫然《ぼうぜん》とうち開い....
「牛乳と馬」より 著者:豊島与志雄
お姉さまに伝言を頼んだ。愛も恋も一切白紙に還元して、別途な生き方をするようにとの
切願だった。ついては、肌身離さず持ってた写真も返すとのこと。高須さんは日本の敗戦....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
は彼女をしっかりと押さえて、私の言うことをよく聞いて、わたしを免してもらいたいと
切願すると、彼女はわたしの口から眼へかけて鞭で打った。そうして、ひと言ふた言の別....
「決闘」より 著者:神西清
さず僕の人格に対する侮辱だ。故に僕は素人探偵諸君に向って、そのスパイ行為の停止を
切願する。もう沢山だ。」 「何だと……いや、君はいま何と言われたか?」百まで数え....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
わびさせなければ、大覚ノ宮を見失うこともなかったはずだ。 また果たして、自分の
切願を、帝のお耳へ取次いでくれていたのかどうか。 「覚えておこう」 高徳は、見....