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刈る
「刈る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刈るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
子を想像してみた。例のようにどこの玄関番かと思われる風体《ふうてい》をして、髪を
刈る時のほか剃《す》らない顎《あご》ひげを一二|分《ぶ》ほども延ばして、頑丈《が....
「姪子」より 著者:伊藤左千夫
、おやじが永らくぶらぶらしてますから困っていますと云う、それだからこうして朝草も
刈るのかと思ったら、おれは可哀そうでならなかった、それでおれは今鎌を買いに松尾へ....
「駈落」より 著者:佐左木俊郎
った。だから、午《ひる》に投げ込むのと、夕方のとは、彼女の爺さんが、一日がかりで
刈ることになっていた。併し、今朝は、彼女は不思議にも、いつもの二倍も刈って帰って....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
昨日はこちから三人いって隣の家の稲を刈った。今日は隣の人たちが三人来てこちの稲を
刈るのである。若い人たちは多勢でにぎやかに仕事をすることを好むので、懇な間にはよ....
「わが町」より 著者:織田作之助
て怒っていた。 「なるほど、わたいは鋳物の職人です。しかし、お宅もやはり人の頭を
刈る職人でっしゃろ。五分々々ですがな。それに、わたいはあのひとのお腹にいる子供の....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
文もなかった。 金がない為めに、一本の煙草も吸えなかった。ぼう/\となった髪を
刈ることが出来なかった。 稼いで金を送って、家族を養うことが出来なかった。 ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ある。其代り又|手苛《てひど》い領主や敵将に出遇《であ》った日には、それこそ草を
刈るが如くに人民は生命も取られれば財産も召上げられて終《しま》う。で、つまり今の....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
ばかり過ぎた日の事であった。 ――居待月である。 一杯飲んでいる内には、木賊
刈るという歌のまま、研かれ出づる秋の夜の月となるであろうと、その気で篠ノ井で汽車....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
の根白高萱あやにあやにさ宿さ寐てこそ言に出にしか (同・三四九七) 岡に寄せ我が
刈る草の狭萎草のまこと柔は寝ろとへなかも (同・三四九九) 安斉可潟潮干の緩に思....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
あるが、ゴリラやライオンが床屋へ行くということを誰もきいた人がない。だから頭髪は
刈るべきである。否、剃るべきであるのである。するともうきっと頭が良くなるのだ。―....
「イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
いました。 「いいとも、いいとも。どのみち私は馬の世話をしなくちゃならん。飼葉を
刈る時刻だからね。」 五 タラスの係の小悪魔も、その晩手が空い....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
直接の連絡はない。 古くは万葉集巻三の、 潮干の、みつの海女のくゞつ持ち、玉藻
刈るらんいざ行きて見む。 といふ歌から、近くは明治三十五年に出版せられた若越方言....
「西航日録」より 著者:井上円了
るを見るは、また無限の趣あり。船中にはインド人の乗客多し。その習俗として、鬚髭を
刈るにかみそりを用いず、毎日毛抜きをもって抜きおるを見る。これを見るすら、なお痛....
「五銭のあたま」より 著者:小川未明
お客を引く、たしにはなりませんでした。 いままで、その村の床屋では、子供の頭を
刈るのに、拾銭でありました。三|軒が、同じく拾銭であればこそ、こういうように競争....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
とか、 小諸出て見りゃ浅間の嶽にけさも三筋のけむり立つ さまが来ぬ夜は雲場の草で
刈る人もなしひとり寝る 浅間山から鬼や尻出して鎌でかっ切るような屁を垂れた あ....