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「刈入れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刈入れの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
摘んでは、掌で籾を摺って噛って居る。不図気がつくと、納屋の檐下には、小麦も大麦も刈入れた束のまゝまだ扱きもせずに入れてある。他所では最早|棒打も済んだ家もある。....
風に乗って来るコロポックル」より 著者:宮本百合子
ょろまかすことも平気になって、イレンカトムが黒を相手に、ポツポツと種を蒔き、種を刈入れている間に、豊の生活は彼の想像も及ばないように変って行った。 昨日までの....
今にわれらも」より 著者:宮本百合子
民の収入も自然と年々高まって来ている。 集団農場にも種類があって、単に蒔つけ、刈入れ、虫とりなどのような時だけ集団的に皆で働く初歩形のものから、すっかり何も彼....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
では、丁抹鰻のように滑っこい皮膚をもった好機の女神――このお方は、しじゅうあの大刈入れ鎌を手にしてる死神のタイピストなんだが、断髪してることを忘れて速記用の鉛筆....
札幌まで」より 著者:寺田寅彦
車窓から沿路の山水の詳細な見学をする。北上川沿岸の平野には稲が一面に実って、もう刈入れるばかりになっているように見える。昨夜仙台の新聞で欠食児童何百という表題の....
ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
通り、このような小さな曲馬団などというものは、村々の市の日、または葡萄祭や、麦の刈入れ、時には村長のお嬢さんの結婚式だとか、村道の開通式だとか、わけのわからぬ暦....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
、静かにするが好い。 柳 だって、お前さん。まあ、聴いてください。この頃は高粱の刈入れ時で、どこの家でも眼が廻るほど忙がしいのに、この人は朝から煙草ばかりぱくぱ....
」より 著者:カフカフランツ
だも――それはまたとても恥かしいことでした。というのは、わたしたちはしょっちゅう刈入れの車に出会いましたが、そんな車についている人たちはわたしたちの前で黙ってし....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
な繕っていた。けれど中に住む人はなかった。 「おいらの先生を知らないかあっ……」刈入れをしている田の人影へどなってみた。附近の百姓たちは皆、彼のすがたを見ると、....
三国志」より 著者:吉川英治
たび悠長な田園へかかる。 ゆるい小川がある。水田がある。秋なのでもう村の人々は刈入れにかかっていた。そして所々に見える農家のほうへと、田の人影も水牛の影も戻っ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ね筑紫の武者どもへは、他日のため、何くれとなく手を打っておいたことぞ。尊氏はその刈入れに下るのだわ」 こう師直を叱っておいて、尊氏はそのおもてを全体の武将たち....
私本太平記」より 著者:吉川英治
)へ、一切の権をおゆだねあるなどは、ちと早計ではござりますまいか。天下の耕地は、刈入れどころか、まだまだ、青田にもなっておりません。しかのみならず、五|風十|雨....
」より 著者:吉川英治
お殊と安太郎の婚礼の式は、与右衛門の喪中であるに拘らず、その秋、新田一万石の初刈入れが済むとすぐ、大きな民衆の力で執り行われ、三日三晩、真実そのものの慶賀を送られた。....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
永きに過ぎて、だんだん待ちきれなくなったということもあろうが、また一つには実際の刈入れの日が、斎忌の初めとして、別に何か行事のある日であったのを、後に追々と力を....