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刈萱
「刈萱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
刈萱の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
の工合も宜しく、床は九尺床でございまして、探幽の山水が懸り、唐物の籠に芙蓉に桔梗
刈萱など秋草を十分に活けまして、床脇の棚|等にも結構な飛び青磁の香炉がございまし....
「足迹」より 著者:徳田秋声
婦の祭文語りが入り込んで来た。薄汚い祭文語りは炉端へ呼び入れられて、鈴木|主水や
刈萱道心のようなものを語った。母親は時々こくりこくりと居睡りをしながら、鼻を塞ら....
「春昼」より 著者:泉鏡花
これも肩から上ばかり、爾時は男が三人、一ならびに松の葉とすれすれに、しばらく桔梗
刈萱が靡くように見えて、段々低くなって隠れたのを、何か、自分との事のために、離座....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
おその上に、御前様、お痩せ遊ばしておがまれます。柳よりもお優しい、すらすらと雨の
刈萱を、お被け遊ばしたようにござります。 夫人 嘘ばっかり。小山田の、案山子に借....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ばかり極が悪い、皆さんも来ておつきでないか。」 蚊帳をはらはら取巻いたは、桔梗
刈萱、美しや、萩女郎花、優しや、鈴虫、松虫の――声々に、 (向うの小沢に蛇が立っ....
「日輪」より 著者:横光利一
、蘭を飾った藤蔓と、数条の蔦とが欅の枝から垂れ下っていた。二人の臥床は羊歯と韮と
刈萱とであった。そうして卑弥呼は、再び新らしい良人の腕の中に身を横たえた。訶和郎....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
や串戯をしては可けないぜと、思わず独言を言いながら、露草を踏しだき、薄を掻分け、
刈萱を押遣って、章駄天のように追駈けまする、姿は草の中に見え隠れて、あたかもこれ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
むら雲迷ふ夕べにも忘るるまなく忘られぬ君 という歌の書かれた手紙を、穂の乱れた
刈萱に中将はつけていた。女房が、 「交野の少将は紙の色と同じ色の花を使ったそうで....
「野萩」より 著者:久生十蘭
、いかにも床しい数寄屋がまえなのに、掛軸はかけず、床柱の花籠に、申訳のように薊と
刈萱を投げいれ、天井の杉板に金と白緑で萩が描いてある。こういうのが、このごろの趣....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
も床しい数奇屋がまえなのに、掛軸はかけず、床柱の花籠に申訳のように薊《あざみ》と
刈萱《かるかや》を投げいれ、天井の杉板に金と白緑《びゃくろく》でいちめんに萩が描....