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「刑人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刑人の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野ざらし」より 著者:豊島与志雄
何故かそこで禎輔がぷつりと言葉を途切らした。然し昌作はその皮肉な語気からして、流刑人の行く処だというような意味合を感じた。そして慌てて弁解し初めた。 「いえ、九....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
市人の興味をひいた。死刑執行の前日に監獄の教誨師《きょうかいし》が病気になった。刑人の臨終の折りに立会うため一人の牧師が必要になった。で、主任司祭を呼びにやった....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
輿論《よろん》を、パリーはみな有している。そしてゼモニエ(訳者注 古ローマにて処刑人の死体を陳列するカピトール山の階段)としては嘲弄《ちょうろう》がもって代えて....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ーブルがいっぱいになることもあったが、彼はそれを皆一々調べた。それらのみじめなる刑人らを見捨てるのは彼の苦痛とするところだった。ある日、前に上げたのと同じ目撃者....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ユスひとりは、少し離れて防壁の左端に控えていて、ふたりの通るのを見た。死刑囚と処刑人と相並んだありさまは、マリユスの心の中にある死の光で照らし出された。 ジャ....
死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
ぞんでる思考のこの調書のうちには、常に高まってゆくこの苦悩の増進のうちには、一受刑人のこの一種の精神的解剖のうちには、処刑する人々に対する一つならずの教訓がない....
」より 著者:井上紅梅
近道を貪る人が靴の底で踏み固めたものであるが、自然の区切りとなり、道を境に左は死刑人と行倒れの人を埋め、右は貧乏人の塚を集め、両方ともそれからそれへと段々に土を....
選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
推理は殆ど完全であった。三高氏と江村は、終戦のドサクサに北海道の牢屋を脱獄した徒刑人であったのである。....
艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
善 開演御披露 演演劇会一座 旧大悪人 無期徒刑囚特赦減刑人 猿猴小僧事 明治噂白浪三羽烏一人 本名 市村栄....
妖怪報告」より 著者:井上円了
その日、ある所にて、越後なる倒竹の話をなしたるよりし、殺したるの連想は、かつて死刑人を巨板に載せ、首をその股前に置きたるを、解剖室において見たるに結び、懇親をな....
特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
これよりだんだん居小屋地南に延びて、遂に八条通りにまで達するに至った。延享頃の死刑人見張番人足等の中に、六条村組下九条方というのがあるのを見ると、この頃すでに八....
それから」より 著者:夏目漱石
、二つの小さな角燈が音もなく揺《ゆら》めいて見えた。絞首台は其所《そこ》にある。刑人《けいじん》は暗い所に立った。木履《くつ》を片足失くなした、寒いと一人が云う....