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「刑余〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刑余の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:島崎藤村
その日は宗蔵も珍しく機嫌よく、身体の不自由を忘れて、嫂の物語に聞恍れていた。実が刑余の人であるにも関らず、こういう昔の話が出ると、弟達は兄に対して特別な尊敬の心....
沈黙の塔」より 著者:森鴎外
を人に教える教科書だと言っても好い。あれ程危険なものはあるまい。作者が男色事件で刑余の人になってしまったのも尤もである。Shaw は「悪魔の弟子」のような廃れた....
社会時評」より 著者:戸坂潤
ことだ。まして前科者の子弟をやというわけである。処で普通学務局長の下村寿一氏は、刑余者の子弟だという理由で入学出来なかったというような噂さは聞かぬ、師範学校の校....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
なのではない、遊びが面白くないのではない、みんなこの額の刻印が、自分というものを刑余の入墨者《いれずみもの》同様な、卑屈な日蔭者にしてしまったのだ。 ちぇっ!....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
幸内は、そろそろ歩みよって、まずその一方の薦を、ちょっと刎《は》ねのけて見ると、刑余の死人のその男の方と覚しいのがまず現われました。お銀様は、やや長いことそれに....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
受けたことのないものを受けました。 「いや、ドコにいると名乗るほどの安定はない、刑余の亡命者でござるがな、今日は、どういうものか、虫の居所が少し違っていると見え....
椎の木」より 著者:豊島与志雄
城へ行った。覚悟をきめて働き通し、数年後東京へまい戻って、製菓会社に勤めていた。刑余の身をこうして無事に暮せるのも、其後の正しい決心の賜物だというのだった。そし....