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「刑具〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

刑具の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
黒猫」より 著者:佐々木直次郎
なったのだ! ――おお、恐怖と罪悪との――苦悶《くもん》と死との痛ましい恐ろしい刑具の形になったのだ! そしていまこそ私は実に単なる人間の惨《みじ》めさ以上に....
乱世」より 著者:菊池寛
、相手から寛大な取扱いという言葉をきくと、むっとした。武士たるものに、汚らわしい刑具を見せつけて侮辱を与えておきながら、よくもそんなしらじらしいことがいえると思....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
見て、思わず一驚を喫してしまった。 ――セヴィリアの公刑所には、十字架と拷問の刑具と相併立せり。されど、神もし地獄の陰火を点し、永遠限りなくそれを輝かさんと欲....
先生への通信」より 著者:寺田寅彦
居の跡も見ましたが、そこの入場券が富札になっています。名高い古城の片すみには昔の刑具を陳列した塔があります。色の青い小さい女が説明して歩く。いっしょに見て歩いた....
案内者」より 著者:寺田寅彦
やすい「洞窟」がある。 ニュールンベルグの古城で、そこに収集された昔の物すごい刑具の類を見物した事がある。名高い「|鉄の処女」の前で説明をしていた案内者はまだ....
春桃」より 著者:宮本百合子
又右腕の拳はぐっと前につき出して、敢て彼を侵さんとする者は何人たりとも来ってこの刑具――拳を受けよ! という風な英雄像に彫り上げられた一塊の石にしかすぎぬものが....
誰のために」より 著者:宮本百合子
キを入れた。殴る者のいないときは、そういうもので留置場の扉をうって歩いて、そこに刑具のあることを示威した。軍隊のビンタは、個人の自尊心、個性の自覚、個人の権利の....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
動者の奮闘と度々の革命の犠牲を歴史的にみせて、十月革命の成功におわっている。古い刑具と、死体の写真。レイニンの像。呪詛と反感と狂望と歓喜。ゴウルキイの原稿。ゲル....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
るも恐ろしかった。両足は下にたれ、肩は震えていた。頭は互いにぶっつかり合い、鉄の刑具は音を立て、瞳《ひとみ》は獰猛《どうもう》な色に燃え、手は痙攣的《けいれんて....
二都物語」より 著者:佐々木直次郎
行くのである。 架刑台 往時罪人の頸と手とを板の間に挟んで立たせて街上に曝した刑具。その罪人を見物して笑い物にする見物人は、往々それに投石して負傷させたことが....
女強盗」より 著者:菊池寛
行った。そして、この男の髪へ縄をつけて、はたもの(罪人を笞打つためにしばりつける刑具である)に男を後向きにしばりつけた。両足もしっかり、むすびつけた。そして、女....